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「自分が試合を壊した」痛恨ミス悔やんだ横浜FM諏訪間幸成、“大学生プロ”として挑むACLEで挽回へ「食ってやろうという気持ちを」

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DF諏訪間幸成

[4.20 J1第11節 浦和 3-1 横浜FM 埼玉]

「自分が試合を壊した」。21歳ながら横浜F・マリノスのセンターバックを託されているDF諏訪間幸成は浦和戦後、自身に突きつけられた苦しい現実を受け止めていた。

 浦和戦では0-1で迎えた後半開始直後、思わぬ形で失点の原因となった。右SBの松原健がスローインを自陣ゴール前に戻し、これが精度を欠いてGK朴一圭との間に向かうと、相手のプレッシャーを受けながら対応したことでまさかのクリアミス。これが浦和FW渡邊凌磨へのプレゼントパスになってしまい、無人のゴールに押し込まれた。

 結果的にはこの2失点目が重くのしかかり、チームは1-3で敗戦。失点直後、ピッチに崩れ落ちた諏訪間は「(スローインが来てから)全然時間もあったし、自分も準備ができていなかった。ああいうミスは自分もしたことがなかったので、自分にがっかりした部分もあるし、もっとやらなきゃいけないと思う」と責任を背負った。

 今季は筑波大4年次進級を前にプロ契約を締結し、ここまでJ1リーグ戦6試合でピッチに立ってきた諏訪間。プロ初先発を飾った今月5日の東京V戦(△0-0)以降はJ1レベルへの適応を進めながら、5試合連続でフル出場を果たしており、出場機会という面では充実の期間を過ごしてきている。

 チームはここまで毎週2試合の7連戦が続いており、2分5敗と苦しい戦いが続く。それでも「たくさん試合に出ることができて、やれる部分とやれない部分がはっきりしてきた。やれる部分は自信を持って、伸ばさないといけない部分はやり続けることが大事」と諏訪間。真摯に自身の現状と向き合い、ひたむきなトライを続けているようだ。

 特に攻撃面ではチャレンジングなクサビのパスや、自らドリブルで持ち上がる選択をする機会が増えており、継続的に存在感を発揮中。諏訪間自身は「自分が入って失点が増えている部分もあるので攻撃が良かったからいいというわけではなく、ディフェンダーなので失点の部分を減らさないといけない」との優先順位を強調し、満足した様子は見せないが、J1という舞台でも順調にプレーの幅を広げているのは頼もしく映る。

 そうした姿勢はここから始まるAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ファイナルステージの戦いでも貫き、この日のミスから立ち上がる気概を示していく構えだ。

 悲願のアジア制覇を狙う横浜FMは26日、まずはアルナスルとの準々決勝を戦うが、相手はFWクリスティアーノ・ロナウド、FWサディオ・マネら強力な攻撃陣を揃えているのが特徴。諏訪間らCB陣にはそういったスター選手たちと個人の局面で渡り合い、自由にプレーさせないような働きが求められる。

 諏訪間は「滅多にやれるチャンスがない相手だし、自分たちは失うものがない」と断言。「自分は本当だったらいまは筑波大で試合をしていたわけで、挑戦するという決断をしたからこういうチャンスを掴めたし、挑戦する決断をしていなければ対戦することができなかったと思う。自分の持っている全てをこの相手にぶつけていきたい」と力強く意気込んだ。

 大陸レベルの国際大会は初めての経験となるため、相手のレベルは未知数。だが、まずは「実際にやってみたらすごいなと思うのか、意外にやれるじゃんと思う部分もあると思うので、メンタルの部分が一番大事」と言い切り、気持ちの部分で張り合う覚悟だ。「去年の筑波での天皇杯の経験もあるので、食ってやろうという気持ちを前面に出せばいい試合ができる。全力でぶつかりたい」と野心をたぎらせた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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