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U-20世代のJリーグ選抜vs関東大学選抜が激突!! 新施策「ポストユースマッチ」は0-0ドロー、PK戦9人目で大学選抜が勝利

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[4.22 ポストユースマッチ U-22 Jリーグ選抜 0-0(PK7-8) 関東大学選抜 秋津]

 ポストユース世代の育成・強化を目的に始まった日本サッカー協会(JFA)とJリーグによる新施策「ポストユースマッチ」が22日、千葉県内で行われ、U-22 Jリーグ選抜と関東大学選抜が対戦した。互いに1日の準備期間で連係不足が目立つ中、決定機は少ないまま0-0のドロー。PK戦でJリーグ選抜が勝利した。個人の局面では頼もしいアピールを見せる選手もおり、U-20W杯の選考には良い影響がありそうだ。

 Jリーグで出場機会の少ない選手に育成・強化の場を与えるべく始まった新施策の第1回。今回は今年9〜10月に控えるU-20ワールドカップに向けた強化を見据え、両チームが2005年以降に生まれた選手たちでメンバーを構成した。Jリーグ選抜はU-20日本代表のコーチを務める羽田憲司氏、関東大学選抜は神奈川大の宮澤浩監督がそれぞれ指揮を執った。またスタンドではU-20日本代表の船越優蔵監督、A代表の森保一監督らが視察したほか、代理人やクラブ強化担当も多数訪れた。

 Jリーグ選抜は4-2-3-1の布陣でGK小林将天(FC東京)がゴールを守り、4バックは左からDF島佑成(愛媛U-18)、DF中野力瑠(群馬)、DF本多康太郎(湘南)、DF本間ジャスティン(松本)が先発。ダブルボランチをMF山本丈偉(東京V)とMF早川隼平(浦和)が務め、サイドハーフは左にMF川村楽人(東京V)、右にMF中野遥翔(沼津U18)が並んだ。トップ下はMF望月耕平(横浜FM)。1トップはFW出間思努(札幌)が入った。

 対する大学選抜も4-2-3-1の布陣でGKは原田眞透(日本体育大2年=日体大柏高)。4バックは左からDF関富貫太(桐蔭横浜⼤2年=柏U-18)、DF國枝蒼空(⽇本⼤2年=横浜FCユース)、DF中光叶多(中央⼤2年=広島ユース)、DF櫻井稜(法政⼤3年=鹿島学園高)が並んだ。ダブルボランチはMF菅澤凱(国⼠舘⼤2年=青森山田高)とMF尾川丈(中央⼤2年=川崎F U-18)が組み、サイドハーフは左にMF岡野一恭平(中央⼤2年=川崎F U-18)、右にMF原壮志(⽴正⼤2年=帝京長岡高)。トップ下にMF松田悠世(法政⼤2年=桐光学園高)、1トップにFW平尾勇人(⽇本⼤3年=四日市中央工高)が入った。

 試合は関東大学選抜が優勢となった。まずは前半14分、左のハーフスペースから松田のスルーパスが裏に通ると、岡野一が縦に突破。だが、フリーで放ったシュートはGK小林の正面に向かい、ゴールには至らなかった。Jリーグ選抜は本間と本多のギャップを完全に突かれ、課題の残るシーンとなった。

 さらに関東大学選抜は前半21分、平尾が中野力に競り勝って背後に抜け、ペナルティエリア右から右足シュート。直後には岡野一も左からのカットインシュートでゴールを狙い、GK小林の正面を突いた。同24分には相手のビルドアップミスを誘い、岡野一のパスから平尾が決定的なシュート。これは中野力のブロックに阻まれた。

 Jリーグ選抜は前半29分にようやく最初のビッグチャンス。早川の絶妙なスルーパスが出間の足元に入るも、トラップが長くなってシュートまでは行けない。だが、右に流れてクロスを送ると、望月のシュートは空振りに終わったが、ファーサイドから飛び込んだ左SBの島が左足を振り抜く。GK原田のセーブに阻まれるも、初めて攻撃を完結させた。

 関東大学選抜は前半31分、中光のロングフィードが右サイドに送られると、原が島と入れ替わりながらボールを収め、そのまま縦へ。クロスは左サイドに大きく流れた。対するJリーグ選抜は同39分、早川のサイドチェンジが左に入ると、そこを起点に川村がカットインシュートを狙ったが、惜しくも左に外れた。

 関東大学選抜は前半44分、右からの崩しで尾川がポケットに侵入したが、Jリーグ選抜の早川が献身的な守備でカバーリング。今季の浦和ではJ1リーグ戦出場のない早川だが、攻守に印象的な働きを見せた。また直後には関富が松田とのワンツーから左サイドを攻め込むも、クロスは本多のカバーリングに阻まれ、0-0でハーフタイムを迎えた。

 後半は互いに大幅なメンバー変更を行い、Jリーグ選抜はGKピサノアレックス幸冬堀尾(名古屋)が登場。4バックは左から島、DF大川佑梧(鹿島ユース)、本多、DF千葉虎士(山形)の並びとなった。ボランチには山本に代わってMF碇明日麻(水戸)が入り、よりアンカー色が強い立ち位置に。インサイドハーフは左にMF川合徳孟(磐田)、右に早川が並んだ。ウイングは左に川村、右に望月。1トップは引き続き出間が務めた。

 対する関東大学選抜はGKに菊池悠斗(東海⼤2年=川崎F U-18)が入り、4バックは左から関富、國枝、中光、DF舩木大輔(桐蔭横浜⼤2年=横浜FMユース)の並び。ダブルボランチは尾川とMF神田拓人(早稲⽥⼤2年=尚志高)が組み、サイドハーフは左にMF杉本英誉(桐蔭横浜⼤2年=青森山田高)、右に松田が移った。トップ下はFW小嵐理翔(明治⼤2年=実践学園高)が入り、1トップは平尾が務めた。

 後半も引き続き関東大学選抜の優勢は続くが、Jリーグ選抜もプレミアリーグEASTから中1日の大川が安定した守備対応でピンチを防ぐ。13分には碇の縦パスが相手にカットされたが、すぐに碇が奪い返すと、速攻から川村が惜しいシュート。直後には左CKから大川が高い打点でヘディングシュートを放った。

 その後もJリーグ選抜が勢いを見せ、16分には川村のドリブル突破で深さを取ると、インナーラップした島が惜しいシュート。高校3年生世代の島は攻撃参加でインパクトを放った。徐々に良さを見せていた川村はそこで交代となり、MF齋藤俊輔(水戸)が投入。一方の関東大学選抜は平尾に代わってFW小田晄平(東海大2年=昌平高)が入った。

 さらに関東大学選抜は後半24分、中光、松田、尾川に代わってDF尾崎凱琉(早稲⽥⼤2年=大阪桐蔭高)に加え、菅澤と原を再び投入。同29分には望月に代わって山本も再投入され、早川が右サイドに回った。

 関東大学選抜は後半31分、菅澤が高い位置でボールを奪ったが、クロスは奪われた側の碇がカバーし、決定機にはつながらない。同37分には左サイドを突破した杉本のクロスが大外の原に通ったが、ダイレクトシュートはピサノのスーパーセーブに阻まれると、跳ね返りを狙った原のシュートは枠を外れた。名古屋所属のピサノは最初にピンチで見事にチームを救った。

 そのまま試合はタイムアップ。決着がつかなかったためPK戦が行われた。両チームとも1人目から成功が続く中、後攻・関東大学選抜3人目の松田のキックをピサノがセーブし、Jリーグ選抜がリードしたが、Jリーグ選抜も5人目・碇のキックが左に外れてイーブンに。サドンデスは9人目までもつれ込み、最後は大学選抜GK菊池が本多のキックを止めると、最後は尾崎が決めて大学選抜が勝利した。

(取材・文 竹内達也)

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Text by 竹内達也

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