新潟GK吉満大介が32歳でJ1デビュー「苦しいことも多いけど、その一瞬のために頑張れている」

GK
[4.26 J1第12節 柏 1-1 新潟 三協F柏]
アルビレックス新潟に昨季加入したGK吉満大介(32)がJ1第12節・柏戦で先発起用され、プロ11年目でのJ1デビューを果たした。昨季からルヴァン杯3試合の出場を経て、ようやく掴んだリーグ戦の出番。それでも試合後には感慨に浸ることなく、1-1のドローという結果に「勝ち点3を取れなかったことに責任を感じる」と受け止めていた。
昨季まで守護神を務めたGK小島亨介(柏)が移籍でチームを離れた新潟は今季、前節までの11試合でGK藤田和輝がゴールを守っていたが、樹森大介監督はここで先発変更を決断。1勝5分5敗の降格圏19位という苦境脱出に向け、ルヴァン杯で2連勝していた32歳のベテランにゴールマウスを託した。
「藤田和輝もここ数試合しっかり成長してくれたという流れはあるが、(吉満を)今回出した理由は日頃からいいパフォーマンスをしてくれていたこと。ルヴァンでもしっかり結果を出していたという流れの中で、チームの現状を踏まえて、いま一番良いパフォーマンスの選手を出そうという思いで起用した」(樹森監督)
シーズン途中の守護神交代の重みは吉満自身も認識していた。「和輝から僕に変わったことで託されているものは感じ取っている」。ベテランの落ち着きに加えて、J1初出場の謙虚さも胸にピッチに立った。
「僕自身は一番上というのもあるけど、その中で落ち着きすぎてもいけないのは感じている。ハツラツと。J1デビューですから、1年生のようにしっかり続けていかないといけないと感じていた」
そうした中、チームは前半14分に先制点を奪取するなど優勢に試合を展開。徐々に流れを持っていかれた同32分に左サイドを崩され、痛恨の失点を喫したものの、続く劣勢の時間帯はMF熊坂光希やMF小泉佳穂のシュートを冷静に処理するなど、吉満自身は上々のパフォーマンスを見せていた。
それでも苦境打破のためには勝利が必要な状況とあり、1-1という結果に満足はなかった。「緊張はあったか?」という質問に「ルヴァン杯と一緒の感じでやっていました」と冷静に答えた吉満は「ルヴァン杯と同じ気持ちで、勝ち点3を取れなかったことに責任を感じる。これに慣れないこと。負けなかったからよかったじゃなく、勝ちに行く姿勢はしっかり持っておかないといけない」と淡々と振り返った。
とはいえ、J1デビューという到達点はプロ選手のキャリアにおいて大きなものであるのも間違いない。神村学園高時代には世代屈指のGKとしてU-18日本代表候補の経験を持つ吉満だが、鹿屋体育大を経てプロキャリアを始めたのは当時J2の栃木。その後、レノファ山口時代も含めてJ2通算89試合、J3通算30試合を経て、ようやくJ1のカテゴリにたどり着いた歩みは賞賛されるべきものだ。
その歩みを支えた理由は「僕自身、怪我がすごく多かった中、そこで折れないためには一番は家族のためという思い」だったと吉満。「自分自身の家族もそうだし、いまは自分の息子であったり、子供たちに頑張っている姿を見せたいというのがあった。またこれだけ多くのサポーターが来てくれているので、一緒に喜びたいというのがある。苦しいことも多いけど、その一瞬のために頑張れていると思う」と謙虚な思いを口にした。
だからこそ、まだまだ“上り詰めた”という気持ちはないようだ。U-18日本代表候補合宿を共にしていた選手の中にはDF高橋祐治(京都)、MF原川力(柏)、MF鈴木雄斗(湘南)らJ1所属選手も多く、「彼らには負けたくない強い気持ちもある」と吉満。「これを続けていかないと引きずり下ろされる厳しい世界なので、しっかりパフォーマンスと結果で示していければ」とさらなる活躍を誓った。
(取材・文 竹内達也)
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●2025シーズンJリーグ特集
アルビレックス新潟に昨季加入したGK吉満大介(32)がJ1第12節・柏戦で先発起用され、プロ11年目でのJ1デビューを果たした。昨季からルヴァン杯3試合の出場を経て、ようやく掴んだリーグ戦の出番。それでも試合後には感慨に浸ることなく、1-1のドローという結果に「勝ち点3を取れなかったことに責任を感じる」と受け止めていた。
昨季まで守護神を務めたGK小島亨介(柏)が移籍でチームを離れた新潟は今季、前節までの11試合でGK藤田和輝がゴールを守っていたが、樹森大介監督はここで先発変更を決断。1勝5分5敗の降格圏19位という苦境脱出に向け、ルヴァン杯で2連勝していた32歳のベテランにゴールマウスを託した。
「藤田和輝もここ数試合しっかり成長してくれたという流れはあるが、(吉満を)今回出した理由は日頃からいいパフォーマンスをしてくれていたこと。ルヴァンでもしっかり結果を出していたという流れの中で、チームの現状を踏まえて、いま一番良いパフォーマンスの選手を出そうという思いで起用した」(樹森監督)
シーズン途中の守護神交代の重みは吉満自身も認識していた。「和輝から僕に変わったことで託されているものは感じ取っている」。ベテランの落ち着きに加えて、J1初出場の謙虚さも胸にピッチに立った。
「僕自身は一番上というのもあるけど、その中で落ち着きすぎてもいけないのは感じている。ハツラツと。J1デビューですから、1年生のようにしっかり続けていかないといけないと感じていた」
そうした中、チームは前半14分に先制点を奪取するなど優勢に試合を展開。徐々に流れを持っていかれた同32分に左サイドを崩され、痛恨の失点を喫したものの、続く劣勢の時間帯はMF熊坂光希やMF小泉佳穂のシュートを冷静に処理するなど、吉満自身は上々のパフォーマンスを見せていた。
それでも苦境打破のためには勝利が必要な状況とあり、1-1という結果に満足はなかった。「緊張はあったか?」という質問に「ルヴァン杯と一緒の感じでやっていました」と冷静に答えた吉満は「ルヴァン杯と同じ気持ちで、勝ち点3を取れなかったことに責任を感じる。これに慣れないこと。負けなかったからよかったじゃなく、勝ちに行く姿勢はしっかり持っておかないといけない」と淡々と振り返った。
とはいえ、J1デビューという到達点はプロ選手のキャリアにおいて大きなものであるのも間違いない。神村学園高時代には世代屈指のGKとしてU-18日本代表候補の経験を持つ吉満だが、鹿屋体育大を経てプロキャリアを始めたのは当時J2の栃木。その後、レノファ山口時代も含めてJ2通算89試合、J3通算30試合を経て、ようやくJ1のカテゴリにたどり着いた歩みは賞賛されるべきものだ。
その歩みを支えた理由は「僕自身、怪我がすごく多かった中、そこで折れないためには一番は家族のためという思い」だったと吉満。「自分自身の家族もそうだし、いまは自分の息子であったり、子供たちに頑張っている姿を見せたいというのがあった。またこれだけ多くのサポーターが来てくれているので、一緒に喜びたいというのがある。苦しいことも多いけど、その一瞬のために頑張れていると思う」と謙虚な思いを口にした。
だからこそ、まだまだ“上り詰めた”という気持ちはないようだ。U-18日本代表候補合宿を共にしていた選手の中にはDF高橋祐治(京都)、MF原川力(柏)、MF鈴木雄斗(湘南)らJ1所属選手も多く、「彼らには負けたくない強い気持ちもある」と吉満。「これを続けていかないと引きずり下ろされる厳しい世界なので、しっかりパフォーマンスと結果で示していければ」とさらなる活躍を誓った。
(取材・文 竹内達也)
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