「鬼木さんにも『点取って来ます』と」大ケガ乗り越えた鹿島19歳DF松本遥翔が“有言実行”同点ゴール!! J選抜を完全復活への足がかりに

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[5.13 ポストユースマッチ U-22 Jリーグ選抜 2-2(PK4-5) 関西学生選抜 J-GREEN堺]
1-2で迎えた後半37分、U-22 Jリーグ選抜は前半の45分間に続いて後半25分から“再出場”していたDF松本遥翔(鹿島)が結果を出した。前線で前を向いたFWワッド・モハメッド・サディキ(琉球)からのパスがやや後ろに流れたかと思われたが、そこに右SBのポジションから果敢に突撃。最後は「練習していた」という豪快な左足シュートで突き刺した。
鹿島ユースから今季トップチームに昇格した松本だが、鹿島の右SBでは濃野公人と小池龍太のJリーグ屈指のタレントに加え、進境著しい津久井佳祐が出場機会を重ねるなか、トップチーム出場はゼロ。4月下旬の第1回選抜活動はチーム練習要員のため招集を見送られ、後輩のDF大川佑梧(鹿島ユース)が代理招集でアピールを果たしていたこともあり、この舞台にかける思いは強かった。
「いい選手がSBにいるので負けじとやっていかないといけない。こういうところでアピールすることによって鬼木さん(鬼木達)に見てもらえるんじゃないかと思っていたし、鬼木さんにも『点取ってきます』と言ってたんで点を取れて良かったです」。高いモチベーションで臨み、有言実行のゴールとなった。
昨季は大卒ルーキーの濃野が年間9ゴールの大ブレイクを果たし、ベストイレブンを受賞。松本も「SBだけど一番は自分が点を取ることを考えているので、それがプレーに出て点を決められたので良かった」と“点の取れるSB”として生き抜く構えで、良いアピールとなった。
この日の試合後にはその濃野からも連絡が来ていたという。「『ゴールは良かったけどPKがダメだったな』って……(苦笑)」。2-2で迎えたPK戦では5人目で登場した松本だったが、コースを狙ったキックは相手GKがセーブ。「蹴る方向は決めていたけどシュートが甘かったのが全て。しっかり勝ち切るところであの1本が左右してくると思うので詰めていかないといけない」と反省も口にした。
そんな松本だが、この活動ではピッチ外でも大きな刺激を受けていた。
松本は一昨年12月、高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦の瀬戸内高戦で前十字靭帯損傷の大ケガを負い、ユース最終学年の昨季はプレーできない時期が長く続いた。松本によると8月に一度は復帰したものの、再手術を経て今季のプレシーズンから本格始動していたのだという。
今回の選抜チームに帯同する青山敏弘コーチ(広島)もプロ2年目に同じ負傷を経験しており、この期間にはアドバイスをもらっていた。「自分も1年間プレーできていなかったので一回体力がリセットされて、どういう気持ちの持ちようでやっていたかを聞いたら、メンタルが一番大事だと言ってくれた。折れないことが大事だと聞くことができて、良い刺激をもらった」。同じ境遇から復活を遂げ、長年Jリーグのトップを走ってきた選手の存在は大きな励みになったようだ。
ここからは再び鹿島に戻り、厳しいポジション争いに挑む。「まずは短い時間でも結果を残すというところをオニさんは求めていると思う。そこで結果を残すことで今後につながると思うので、そこを求めてやっていきたい」。Jリーグ選抜で積み重ねた成功体験を、完全復活への足がかりとするつもりだ。
(取材・文 竹内達也)
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1-2で迎えた後半37分、U-22 Jリーグ選抜は前半の45分間に続いて後半25分から“再出場”していたDF松本遥翔(鹿島)が結果を出した。前線で前を向いたFWワッド・モハメッド・サディキ(琉球)からのパスがやや後ろに流れたかと思われたが、そこに右SBのポジションから果敢に突撃。最後は「練習していた」という豪快な左足シュートで突き刺した。
鹿島ユースから今季トップチームに昇格した松本だが、鹿島の右SBでは濃野公人と小池龍太のJリーグ屈指のタレントに加え、進境著しい津久井佳祐が出場機会を重ねるなか、トップチーム出場はゼロ。4月下旬の第1回選抜活動はチーム練習要員のため招集を見送られ、後輩のDF大川佑梧(鹿島ユース)が代理招集でアピールを果たしていたこともあり、この舞台にかける思いは強かった。
「いい選手がSBにいるので負けじとやっていかないといけない。こういうところでアピールすることによって鬼木さん(鬼木達)に見てもらえるんじゃないかと思っていたし、鬼木さんにも『点取ってきます』と言ってたんで点を取れて良かったです」。高いモチベーションで臨み、有言実行のゴールとなった。
昨季は大卒ルーキーの濃野が年間9ゴールの大ブレイクを果たし、ベストイレブンを受賞。松本も「SBだけど一番は自分が点を取ることを考えているので、それがプレーに出て点を決められたので良かった」と“点の取れるSB”として生き抜く構えで、良いアピールとなった。
この日の試合後にはその濃野からも連絡が来ていたという。「『ゴールは良かったけどPKがダメだったな』って……(苦笑)」。2-2で迎えたPK戦では5人目で登場した松本だったが、コースを狙ったキックは相手GKがセーブ。「蹴る方向は決めていたけどシュートが甘かったのが全て。しっかり勝ち切るところであの1本が左右してくると思うので詰めていかないといけない」と反省も口にした。
そんな松本だが、この活動ではピッチ外でも大きな刺激を受けていた。
松本は一昨年12月、高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦の瀬戸内高戦で前十字靭帯損傷の大ケガを負い、ユース最終学年の昨季はプレーできない時期が長く続いた。松本によると8月に一度は復帰したものの、再手術を経て今季のプレシーズンから本格始動していたのだという。
今回の選抜チームに帯同する青山敏弘コーチ(広島)もプロ2年目に同じ負傷を経験しており、この期間にはアドバイスをもらっていた。「自分も1年間プレーできていなかったので一回体力がリセットされて、どういう気持ちの持ちようでやっていたかを聞いたら、メンタルが一番大事だと言ってくれた。折れないことが大事だと聞くことができて、良い刺激をもらった」。同じ境遇から復活を遂げ、長年Jリーグのトップを走ってきた選手の存在は大きな励みになったようだ。
ここからは再び鹿島に戻り、厳しいポジション争いに挑む。「まずは短い時間でも結果を残すというところをオニさんは求めていると思う。そこで結果を残すことで今後につながると思うので、そこを求めてやっていきたい」。Jリーグ選抜で積み重ねた成功体験を、完全復活への足がかりとするつもりだ。
(取材・文 竹内達也)
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