自慢のロングスローを囮に使った町田「“じゃない”を狙っておけと」森保Jも屈した妙技で鹿島撃破
首位の鹿島を破った
[6.21 J1第21節 町田 2-1 鹿島 Gスタ]
勝利を大きく手繰り寄せるFC町田ゼルビアの追加点は、得意のロングスローを踏み台とした“フェイント”から生まれていた。
1-0で迎えた前半34分、町田は左サイドでスローインのチャンスを得ると、強肩自慢のMF林幸多郎がスローワーを担当。タオルでボールを拭き、深く助走を取ってロングスロー態勢に入った。ところが、町田の選手たちが続々と敵陣ゴール前に入って行くなか、林が選んだのは自陣方向に立っていたDF昌子源への短いスロー。ロングスローはフェイントとして機能していた。
もっとも林によると、最初からフェイントを繰り出すつもりはなかったという。「最初はロングスローを投げるつもりで行っていて、(相手が)近場にいなければあのパターンもあるという感じですね」(林)。その時ペナルティエリア・アーク内に入っていた町田の選手は7人。ロングスローに備えて十分なリスクをかけていたからこそ、鹿島アントラーズ守備陣は意表を突かれる形となった。
その後、スローインを受けた昌子がすかさず縦パスを入れると、MF下田北斗がフリーで受け、前を向いて左足クロスを配球。これに反応したDF岡村大八がダイビングヘッドで突き刺し、追加点が生まれた。「北斗くんがめちゃくちゃ良いボールをくれた。ボールを信じて飛び込んでうまく当てられた」。そう振り返った岡村は試合後、このゴールにつながったフェイントにはすでに名前がついていることも明かした。
「僕たちの名称で“じゃない”と言うんですけど、“じゃない”を狙っておけという話もしていて、(あの場面では)すぐに始まったので、いいポジションを取ってうまく当てられたと思う」
岡村によると、この名前は「ロングスロー“じゃない”」からついたもの。町田は昨季の横浜FM戦でもDF望月ヘンリー海輝の“じゃない”から下田のクロスにつながり、FWミッチェル・デュークがヘディングで決めるというゴールパターンが見られていたが、日頃の練習から共通意識を持って取り組み続けているようだ。
そんな町田の“じゃない”だが、このゴールパターンは今月上旬に日本代表が北中米W杯最終予選オーストラリア戦(●0-1)で失点を喫した形に近いものでもあった。奇しくもオーストラリア戦で日本のゴールを守っていたのは町田のGK谷晃生。最終予選ではスローイン対応につながったコミュニケーション不足を悔やむ形となったが、この日は自チームのゴールを喜ぶ立場となった。
「ロングスローは自分たちのストロングだと思っているし、あれ以外にもチャンスを作れている場面もあったので、逆に相手も警戒してゴール前に集中したところで、しっかりと自分たちが“それだけじゃない”というのを見せられた。そこでうまく使い分けができれば、相手の脅威になると思う」(谷)
“やられる側”を経験したからこそ「中のマークをしっかりつけないといけないし、スロワーのところに何人行くか、ボールサイドに何人行くかも考えないといけないし、ゴール前に集中して人数をかけたくなる場面」との心理も理解していた谷。この日は終盤のPKのみの1失点に抑え込み、ビッグセーブでもチームを救った守護神は「相手の隙を突くこと、そして自分たちがいかに良い状態で攻撃を進められるかは常にチームで意思共有している。それがうまくできたと思う」と手応えをにじませた。
(取材・文 竹内達也)
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勝利を大きく手繰り寄せるFC町田ゼルビアの追加点は、得意のロングスローを踏み台とした“フェイント”から生まれていた。
1-0で迎えた前半34分、町田は左サイドでスローインのチャンスを得ると、強肩自慢のMF林幸多郎がスローワーを担当。タオルでボールを拭き、深く助走を取ってロングスロー態勢に入った。ところが、町田の選手たちが続々と敵陣ゴール前に入って行くなか、林が選んだのは自陣方向に立っていたDF昌子源への短いスロー。ロングスローはフェイントとして機能していた。
もっとも林によると、最初からフェイントを繰り出すつもりはなかったという。「最初はロングスローを投げるつもりで行っていて、(相手が)近場にいなければあのパターンもあるという感じですね」(林)。その時ペナルティエリア・アーク内に入っていた町田の選手は7人。ロングスローに備えて十分なリスクをかけていたからこそ、鹿島アントラーズ守備陣は意表を突かれる形となった。
その後、スローインを受けた昌子がすかさず縦パスを入れると、MF下田北斗がフリーで受け、前を向いて左足クロスを配球。これに反応したDF岡村大八がダイビングヘッドで突き刺し、追加点が生まれた。「北斗くんがめちゃくちゃ良いボールをくれた。ボールを信じて飛び込んでうまく当てられた」。そう振り返った岡村は試合後、このゴールにつながったフェイントにはすでに名前がついていることも明かした。
「僕たちの名称で“じゃない”と言うんですけど、“じゃない”を狙っておけという話もしていて、(あの場面では)すぐに始まったので、いいポジションを取ってうまく当てられたと思う」
岡村によると、この名前は「ロングスロー“じゃない”」からついたもの。町田は昨季の横浜FM戦でもDF望月ヘンリー海輝の“じゃない”から下田のクロスにつながり、FWミッチェル・デュークがヘディングで決めるというゴールパターンが見られていたが、日頃の練習から共通意識を持って取り組み続けているようだ。
そんな町田の“じゃない”だが、このゴールパターンは今月上旬に日本代表が北中米W杯最終予選オーストラリア戦(●0-1)で失点を喫した形に近いものでもあった。奇しくもオーストラリア戦で日本のゴールを守っていたのは町田のGK谷晃生。最終予選ではスローイン対応につながったコミュニケーション不足を悔やむ形となったが、この日は自チームのゴールを喜ぶ立場となった。
「ロングスローは自分たちのストロングだと思っているし、あれ以外にもチャンスを作れている場面もあったので、逆に相手も警戒してゴール前に集中したところで、しっかりと自分たちが“それだけじゃない”というのを見せられた。そこでうまく使い分けができれば、相手の脅威になると思う」(谷)
“やられる側”を経験したからこそ「中のマークをしっかりつけないといけないし、スロワーのところに何人行くか、ボールサイドに何人行くかも考えないといけないし、ゴール前に集中して人数をかけたくなる場面」との心理も理解していた谷。この日は終盤のPKのみの1失点に抑え込み、ビッグセーブでもチームを救った守護神は「相手の隙を突くこと、そして自分たちがいかに良い状態で攻撃を進められるかは常にチームで意思共有している。それがうまくできたと思う」と手応えをにじませた。
(取材・文 竹内達也)
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