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主審の判定アナウンスにJFA審判委「現時点でするのは難しい」スタジアム環境面も影響、Jリーグでは“ビジョン放映”の異例運用も

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VARdictの例

 日本サッカー協会(JFA)審判委員会は2日、都内でメディア向けレフェリーブリーフィングを開催した。佐藤隆治JFA審判マネジャーはクラブワールドカップなどで行われている、主審がVARレビュー後に観客らへ肉声で判定を示す判定アナウンスについて、日本では設備環境も影響して迅速な運用は難しい見込みだと示した。

 主審によるマイクを通じた判定アナウンスはこれまで、女子ワールドカップやU-20W杯などで試験導入を実施。アメリカなど一部のリーグ戦でも導入されている中、国際サッカー評議会(IFAB)は2025-26競技規則より「競技会はFIFAのガイドライン、そしてVARハンドブックに示されているように、VARの『レビュー』またはVARの長い『チェック』の後に、公に決定を説明し、アナウンスするシステムを導入することもできる」と規定して各大会が自由に実施できるようにした。

 ただ判定アナウンスは基本、詳細な説明を行うものではなく「基本的にはファイナルデシジョン(最終判定)は何かというのを伝える」と佐藤氏。「そこに対する簡単な説明はあっても長々とコメントするものではない」と強調した。

 その上で佐藤氏は「日本で今やろうとしたときには色々と難しい」との見解を示し、理由のひとつとしてハード面を挙げた。判定アナウンスは審判員間の会話でも使用するコミュニケーションシステムをそのままスタジアムのスピーカーから流す方式であり、「(日本で難しいのは)音響の問題ですね。今レフェリーが使っているマイクがそのままスタジアムの音響と合致する(接続できる)スタジアムとそうではないところ(がある)というハード面」と説明した。

 Jリーグではオンフィールド・レビュー時に主審が見ている映像を大型ビジョンでも放映し、観客や選手らもチェック内容をリアルタイムで理解できるようにしている。こうした運用は他国では異例であり、佐藤氏は「(海外では)基本流れないので余計に『何をチェックしていて何になったの』というのがあるので、このアナウンスメントが特に効果的だとされているんですけど、日本はジャイアントスクリーンに(映像を)流している」として判定アナウンスが必要不可欠ではないことを示した。

 加えて、「話したことによってより混乱を起こすようなことがあってはいけない」として一定の準備が必要であることも示された。実際に2023年の女子ワールドカップでは、オフサイド判定をオンサイドで得点に覆す際に「ノーゴール。ノーオフサイド」と主審が言い間違えることで場内が騒然とした事例もあった。

 そうした複数の点から、佐藤氏は「いろいろなことを考えたときに現時点でするのは難しい」と改めて説明。もっとも最終的な判断は競技会が行う規則となっているため、Jリーグなどの決定によって実施に移る場合は「それに従って我々も準備しないといけない」とした。

 なおJリーグでは「VARdict」と呼ばれるシステムによって、VARチェックで試合が中断した際には大型ビジョンや中継画面に「PK確認中-ハンドの可能性」などと表示され、判定変更時には「判定変更-PK-ハンド」といった説明が表示される。判定アナウンスではこうした内容に加えて対象選手の背番号も示されることが基本だが、VARdictの内容とは大きく変わらない傾向になっている。

(取材・文 加藤直岐)

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加藤直岐
Text by 加藤直岐

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