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「数字は足りていないと思うけど…」川崎F山田新はA代表初選出に決意新た「直接アピールして評価を」

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FW山田新

[7.5 J1第23節 川崎F 2-1 鹿島 U等々力]

 数字以上の貢献で日本代表の力になるつもりだ。E-1選手権に出場するA代表メンバーに初選出された川崎フロンターレFW山田新は代表活動前の試合で、前指揮官の鬼木達監督が率いる鹿島アントラーズを撃破。「代表はいったん置いて、とにかく首位の戦いでオニさん(鬼木監督)だったし、本当に大きな意味を持つ勝ち点3だと思っていたので。何が何でも勝つことだけを考えて臨んだ」と振り返った。

 3試合ぶりの先発出場だった。最前線で体を張り、クロスボールには果敢に飛び込み、隙を見て鋭いミドルを放つ。2-1の勝利のなかで数字を示したわけではないが、高い貢献度で存在感を発揮した。

 昨シーズンはJ1得点ランクでジャーメイン良と並ぶ日本人最多19得点を挙げた一方、今シーズンは2得点。結果が出ないことでネガティブな感触も頭をよぎるという。「言葉にするのは難しいけど、ゴール前のところで迷いも生じるし、難しさを感じている」(山田)。致し方ない部分を飲み込みながら、得点以外のところもより意識し始めた。

「まずチームの勝利から逆算してプレー。(得点が)取れれば一番大きいけど、それ以外のところも頑張ろうと、頑張りながらというのは今日考えてやっていた」

 試合後には鬼木前監督のもとに駆け寄り、近況報告をした。「サッカーのこともそうだし、E-1もあるのでそれについてと、今後について喋った」。鬼木監督は山田のメンタル面を心配していたという。「今シーズンで自分が納得いく結果を出せていないので。オニさんはすごく自分のことを理解している。繊細なところを突いてきた」と山田は笑う。

 いま現在出ていない結果は、代表活動で残していく。今回選出された要因について「しっかり試合を見て選んでくれていると思う。昨シーズンのゴール数もあるけど、継続してやり続けてはいる」と理解を示す。「数字は足りていないと思うけど、嬉しい気持ちもある。しっかり直接見てもらってアピールして評価してもらえばいい」と力を込めた。

「海外の選手を相手に個で違いを出さないといけない。起点になるプレーは求められると思うので、そこはやりつつ、ゴールを意識してやっていきたい」

 初めて日の丸を着けるタイミングは、奇しくもアカデミー時代からの同期、FW宮代大聖(神戸)と同じになった。「昔から彼は(世代別代表に)ずっと選ばれてきたし、自分の上を行っていた」。山田はアカデミー卒業後に桐蔭横浜大を経て、宮代は高校3年次のトップ昇格から武者修行の他クラブレンタルを経て、川崎Fでともにプレーしたのは1シーズンのみだった。今度は日本代表でともに世界を相手にする。

「追いかけてきた立場ではあったので嬉しい」。そう語る山田は切磋琢磨をしながら日の丸での生き残りを目指す。「昔から負けたくない思いでやっていた。しっかり競い合えればいい」と意欲をのぞかせた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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