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野々村チェアマン言及の“判定アナウンス”にJFA審判委「何か具体的に物事が進んでいる状況ではない」課題や導入効果は

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VAR運用の進展は

 日本サッカー協会(JFA)審判委員会は27日、都内でメディア向けレフェリーブリーフィングを開催した。前日のJリーグ理事会後会見で野々村芳和Jリーグチェアマンが言及した主審によるVARレビュー後の判定アナウンスについて、扇谷健司JFA審判委員長は「何か具体的に物事が進んでいる状況ではない」と話して早期の運用開始を否定した。

 主審によるマイクを通じた判定アナウンスはこれまで女子ワールドカップやU-20W杯などで試験導入を実施。今季からはイングランドのプレミアリーグなどでも導入が始まっている。そうした中で野々村チェアマンは今月26日、Jリーグでの導入に意欲を示した。

「より良いフットボールをどう作っていくかに関しては、お客さまへの見せ方とか見え方もすごく大事だと思う。リーグとして興行という観点から、例えばVARがあったとき(レビューをしたとき)に審判がマイクで今の事象は何なのかをお伝えする。そんなことを始められるようにした方がいいよねということを、これからJFAと一緒に変えていけたらいいかなという話が今日ありました」

「Jリーグではオンフィールド・レビューがあったときにどの会場でもビジョンで映るので、何が起こっているかというのが基本的には伝わる可能性が高いんですけど、それでも例えば初めて来た人、サッカーをそこまで見たことがない人には言葉で伝えてあげた方がより分かりやすいということも含めて、マイクを導入することもしっかり考えていかないといけないんじゃないかなということです」

 ただJFA審判委は7月のレフェリーブリーフィングで「現時点でするのは難しい」と説明。判定アナウンスは審判員間の会話でも使用するコミュニケーションシステムをそのままスタジアムのスピーカーから流す方式であり、「音響の問題ですね。今レフェリーが使っているマイクがそのままスタジアムの音響と合致する(接続できる)スタジアムとそうではないところ(がある)」としてハード面に大きな課題があることを示していた。

 そうした中、扇谷審判委員長は今回のレフェリーブリーフィングで報道陣から進展について訊かれると、「記事で拝見しました」と野々村チェアマンの発言についてコメント。「そういうのも含めて今後の検討だというふうに思っています」と話し、依然としてハード面の課題があることや混乱が生じないために審判員の準備も不可欠だと説明した。続けて「これからも(Jリーグと)お互いに話し合っていくことだけだというふうに今シーズンは(思っている)」と述べ、開始時期についても「何も決まっていません」と強調した。

 もっともJリーグでは野々村チェアマンが示したように、オンフィールド・レビュー時に主審が見ている映像を大型ビジョンでも放映し、観客や選手らがチェック内容をリアルタイムで理解できるようにしている。こうした運用は他国では異例。加えて「VARdict」と呼ばれるシステムによって、VARチェックで試合が中断した際には大型ビジョンや中継画面に「PK確認中-ハンドの可能性」などと表示され、判定変更時には「判定変更-PK-ハンド」といった説明が表示される。

 そういった現方式に対し、判定アナウンスも基本的には「7番の選手が相手選手を引っ張った。したがってPK」や「ゴールを決めた10番の選手がオフサイドポジションだった。したがってゴールを取り消してオフサイド」など簡潔な説明で終わるため、現在得られる情報とは大きく変わらないことが想定される。もっとも日本語で判定アナウンスが行われた事例はないため、今後導入する場合はどの程度の情報を説明するかが争点になりそうだ。

(取材・文 加藤直岐)

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加藤直岐
Text by 加藤直岐

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