beacon

09年降格を知る唯一の選手…米倉恒貴が振り返る“J2沼”の深さ「またジェフかという思いを持った人はたぶん、たくさんいたと思う」

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

「J1昇格」を掲げるFW米倉恒貴

[12.13 J1昇格PO決勝 千葉 1-0 徳島 フクアリ]

 当時のJ2降格を知る唯一の選手として、その喜びを噛みしめた。ジェフユナイテッド千葉は17年ぶりとなるJ1昇格。降格時に所属していたFW米倉恒貴は「本当に感無量。もうやり遂げたというか、ついにやったなという思いが色々沸き上がって、感動しました」と振り返った。

 2009年、千葉は初めてJ2に降格した。その後は昇格プレーオフに5度絡むが、いずれも敗退。16年の間J2でプレーを続けた。

 米倉は当時を知る選手だ。千葉県出身で、2007年からジェフのユニフォームを纏う。09年の降格を味わい、14年から19年途中までガンバ大阪に移籍していたが、再び千葉に復帰。今シーズンはチーム最年長として、昇格まで駆け抜けた。

 試合後には涙も浮かべていた。「長かったですね。長すぎました」。そう語る米倉はこれまでの思いを続ける。

「本当に降格を知っているのは、選手では僕しかいなかった。そういった意味ですごく重圧も感じていたし、責任も感じていた。でも、なんとか成し遂げなきゃいけないというところで。今日、もう本当に心の底からホッとしている」

 降格時はここまで時間がかかるとは思っていなかった。「そう考えていた自分を罰したい……(笑)」(米倉)。サポーターからは“沼”とも呼ばれる厳しいJ2リーグだ。米倉は「そんなに甘いもんでもないし、しかも昔に比べるとJ2も本当にみんなレベルが上がって、簡単じゃないリーグになっている」と、改めてその“沼”の深さを語った。

 自身が復帰したことで、スムーズにJ1に昇格できるわけでもなかった。昇格プレーオフに参加こそするが、J1の舞台まであと一歩足らず。今季も自動昇格に手をかけながら、再びプレーオフを戦った。

「またジェフかっていう思いを持った人はたぶん、たくさんいたと思う」。だが今年は違った。苦しいなかで、支えとなったのはサポーターの存在。「本当にジェフを(J1に)戻したい一心で戻ってきたし、けっこう苦しい時期が本当にあって何度も折れそうになったけど、その都度サポーターの皆さんの声で助けられてここまでやってこれたのは本当のところ」。今はまだ夢見心地のようで、米倉は「ちょっと今はもう完全に抜け殻状態」と報道陣を笑わせた。

 J1昇格が現実味を帯びた瞬間について、米倉は先週のJ1昇格プレーオフ準決勝、RB大宮アルディージャ戦を挙げた。0-3からの大逆転劇。米倉も自らのアシストで17歳MF姫野誠の同点ゴールを演出した。

「あそこで17歳のホープが出てくれてた。チームにとってはかなり大きなことだし、みんなあれでジェフの未来は明るいと思った。そういった選手が今日も躍動してくれたし、あとは新しいジェフが未来を築いていけるようにやっていければ」。ひとつの使命を全うした37歳は、新たな未来に目を向けながら、今は安堵の表情でスタジアムを後にした。

(取材・文 石川祐介)


●2025J1昇格プレーオフ特集
●2025シーズンJリーグ特集
▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中
石川祐介
Text by 石川祐介

「ゲキサカ」ショート動画

TOP