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限られた出番で成長と東京V初白星へ「アカデミー育ちの自分が…」18歳仲山獅恩がこだわる“数字”と“最高峰”

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MF仲山獅恩

[8.29 J1第4節 東京V 0-2 鹿島 味スタ]

 置かれた立場を冷静に受け止め、一歩ずつ先へ進もうとしている。東京ヴェルディの18歳MF仲山獅恩は、2点を追う後半28分から出場。2シャドーの右に入ると、中盤まで下りて攻撃を円滑にし、時には左サイドにも流れながらボールを引き出そうとした。

「自分が入る時は0-2だったので、前から行くことと、チームでやるべきことをはっきりするのと、自分の色を出していければなという思いで入った」(仲山)

 昨季J1王者・鹿島アントラーズは2点リードの状況を最大限に利用しながら、ボールを保持して試合をコントロールしていた。仲山は前線から何度もプレスを仕掛け、自らの投入をきっかけに流れを変えようとしたが、疲労が蓄積した後方との連動がかみ合わない場面もあった。それでも終盤には相手陣内で過ごす時間を増やし、「良いとは言えないですけど、少し流れを変えられたんだったら良かったかな」と振り返った。

 ボールを持つことさえできれば局面を動かせる一方、ボールを受ける回数は思うように増やせなかった。仲山は自身の立ち位置にも改善点を見いだす。

「自分がボールを触ろうと思えば触れるけど、下がりすぎてしまうと、攻撃の自分が一人いなくなる。なるべく中間で受けて、ゴールに仕掛けていくというところをもうちょっとやる。自分的にはいいところに立っているけど縦パスが来ないというのも今日はあった。そういうところは終わってからコミュニケーションを取った」

 低い位置までボールを迎えに行けば、プレーに関与する回数は増やせる。ただし、それによってゴール前の人数を減らしてしまえば、自身に期待される仕事から遠ざかる。どこに立ち、どのタイミングでボールを引き出すのか。短い出場時間の中で、できたことと足りなかったことの両方を確認した。

 8月に開幕したJ1リーグでは第1節、第2節に途中出場したが、22日の第3節・ファジアーノ岡山戦ではメンバー外となった。同日に行われたU-21 Jリーグの開幕戦に先発してフル出場したものの、U-21 FC東京に0-3で敗戦。それでも26日の天皇杯2回戦・ザスパ群馬戦では今季公式戦初先発を果たし、後半27分までプレーして4-1の勝利に貢献した。そこから中2日で、再びトップチームのピッチに立った。

「どの試合も勝たないといけないし、そういう意味ではU-21も勝たせられなかった。その責任は自分にある。本当に口で言うのは簡単。神戸戦でプレーで見せたいと思う」。前節にトップチームのメンバーから外れた悔しさがないわけではない。それでも、その感情に足を取られることなく、目の前に用意された試合へ意識を切り替えた。

「そこでどうこう思っている暇はない。自分の目標から逆算して、やっぱりやらないといけない」

 鹿島戦で与えられたのは約20分。出場機会が限られたことも、「監督のメッセージだと思う」と正面から受け止める。「あの時間帯でしか出られないというのは力不足なので。もう練習からやるしかない」。言い訳を探さず、ベクトルを自分自身に向けた。

 チームも苦境に立たされている。東京Vは今季のJ1リーグで開幕4試合2敗2分で未勝利。さらに、左鎖骨骨折から復帰し、今季リーグ戦初出場を果たしたキャプテンのMF森田晃樹が再び負傷するアクシデントに見舞われた。中心選手の離脱が相次ぐ中、若い力が担わなければならない役割は一段と大きくなっている。

「いま晃樹くんだったり、いろいろな選手が怪我をする中で、やっぱりアカデミーから育ってきた自分も含め、そういう選手がチームを勝たせられないといけないと思う。本当にもう次の神戸戦で自分が勝たせる気持ちで、今日からやっていかないといけない」

 2026年に東京Vユースからトップチームへ昇格し、2月開幕のJ1百年構想リーグでは4試合に出場した。「城福監督から自由にやらせてもらっている分、結果で応えないといけない」。指揮官からは守備の強度を大前提として、ボールを受けて前進させることや、ゴール前で違いを生み出す役割を託されている。

 U-19日本代表の常連で、6月には北中米ワールドカップに臨んだ日本代表のトレーニングパートナーも務めた。一方、現在行われているAFC U20アジアカップ予選のメンバーには入らなかった。その事実にも冷静に向き合い、視線をクラブでの戦いと、さらに先の舞台へ向けた。

「A代表のトレーニングパートナーを務める経験もさせてもらった。世代別代表もだけど、結果を出して海外やその先のA代表。そこを目指すしかないし、目指しているので。目の前のJリーグで結果を出したら全然違う。そこにどれだけ100%で挑めるかと、結果を出すか。それしか考えていない。数字にこだわっていきたい」

「目の前の試合にとにかく集中して、1試合、数字を残したら自分の調子も上がってくる」。限られた出番の中で経験してきたことすべてを成長の材料に変えていく。「主力の選手も怪我をしていて、なかなかうまくいかない状況なので、ここは自分がやるしかない」。大きな目標を見据えながら、まずは苦境に立つ東京Vを勝たせるための一歩を踏み出す。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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