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[被災地に希望を ベガルタ戦士の誓い]vol.3_FW中原貴之

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 東日本大震災による被害を受けたベガルタ仙台は4日、千葉・市原市内でキャンプをスタートさせた。ゲキサカでは今回、仙台イレブンの想いを取材。第3回はFW中原貴之です。昨年12月に右ひざの半月板と軟骨損傷のため手術し、シーズン前のキャンプをリハビリに費やしたが、震災前日の3月10日に再び同所を手術する悪夢を味わった背番号「9」。この日はサーキットトレーニングをこなすなどリハビリを本格化させたが、被災者に対し、早期復帰を果たして「試合を決めるゴール」を1つでも多く捧げることを誓った。
以下、一問一答 
―千葉に移動し、リハビリも本格的に始まりそうですね。
「こういうときにこっちに来てサッカーをするのは、やっぱり複雑な思いがあります。でも、来る前に避難所を回ったんですけど、みんながみんな喜んでくれたとは思っていないけど、喜んでくれた人たちがいた。被災地の人のためにも、まずはコンディションを整えて、再開後にいいゲームを見せたいですね」
―右ひざの手術後の経過はどうですか?
「地震の前日(10日)にオペしたばかりなので、まだまだ時間がかかりそうですね。5月の復活を目安にやっています。僕は復帰までまだ先が長いんですけど、僕が復帰を目指す姿が、少しでもファンの人の励みになればいいな、と思って頑張ります」
―怪我からのスタートとなりましたが、今季はどういうシーズンにしたいですか?
「ずっとキャンプ中もリハビリしていて、まだまだサッカーができる状況ではないんですけど、今年はFWの選手(柳沢やマルキーニョスら)が入ってきたので、復帰後は試合に出られるよう、競争に負けないように練習からやっていきたいと思っています」
―他のFWとタイプが違うので、復帰後はチャンスがありそう。短い時間でも得点ができる勝負強さや高さが期待されていると思います。
「自分の良さを出せば、ゲームには加われると思っているので、そこを取り戻せるようにやっていきたいです」
―選手のみなさんは、被災地を勇気づけるためにも活躍したいと考えられていますが、中原選手はどういうプレーを見せたいですか?
「僕はやっぱり、チームを勝たせるゴールを取ることです。それで、見に来てくれた人、テレビで見てくれてる人が喜んでくれると思うので、できるだけ多く、そういうゴールを決めたいと思います」
―中原選手の試合を決める1発は、みんなが期待しています。被災地の方へメッセージをお願いします。
「まだまだ苦しんでいる人が多く、電気やガスがなかったり、大変なところが多いと思います。僕らはサッカーをやって励ますことしかできないんですけど、少しでも勇気づけられたらと思っています。一緒に頑張っていきましょう」
(取材・文 近藤安弘)

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