[3.10 J1第1節 広島1-0浦和 広島ビ]

　2012シーズンのJ1が10日に開幕した。サンフレッチェ広島はホームでペトロヴィッチ前監督が率いる浦和レッズと対戦。後半4分に佐藤寿人が決めたゴールが決勝点となり、広島が1-0で勝利し、2012シーズン初陣を白星で飾った。

　互いに3-6-1システムを採用。森保一新監督の初陣となった広島はGK西川周作、DFラインは右から森脇良太、新潟から加入の千葉和彦、水本裕貴。ダブルボランチを青山敏弘と森崎和幸が務めた。右サイドはミキッチ、左サイドは山岸智が入った。トップ下には大宮から加入の石原直樹と高萩洋次郎が構えて、1トップは佐藤が務めた。

　対する浦和はGK加藤順大、DFラインは右から濱田水輝、今季から古巣復帰の阿部勇樹、ケルンから加入の槙野智章。 ダブルボランチは柏木陽介と鈴木啓太、右サイドは平川忠亮、左サイドは梅崎司。トップ下には山田直輝と原口元気が入り、1トップは 田中達也が務めた。8日の練習中に左足を負傷したと報じられていた槙野だったが、古巣戦の先発に名を連ねた。

　試合は立ち上がりから、古巣戦に意気込む柏木や槙野を擁する浦和を広島が攻撃で押し込み、ゲームを進めた。佐藤と新加入の石原が連動して、チャンスを演出。前半15分、石原が敵陣左サイドでボールを奪い、ドリブルで駆け上がる。中央へ切れ込むと、自らミドルシュート。これはポスト左へ外れた。同17分には石原の縦パスに抜け出した佐藤がPA左からシュートを狙うが、GK加藤の好セーブに阻まれた。

　前半21分には縦パス一本で決定機を迎える。千葉が前線へロングパス。抜け出したミキッチが右サイドを突破し、クロスを入れた。味方が触れば1点の場面だったが、これはゴール前へ必死に走り込んでいた阿部にクリアされる。得点にはつなげなかった。

　対する浦和は、開始5分にマイナスの折り返しを受けた梅崎がミドルシュートを狙ったが枠外。その後もバイタルでのパス交換から攻め込もうとするも、シュートを打つことはできない。前半39分には梅崎からのくさびを受けた槙野がPA左でワンステップから豪快な右足シュートを放つが、かつてのチームメイトGK西川に止められた。見せ場をつくるも、シュートは打てない場面が続いた。広島が浦和の3本を大きく上回る7本のシュートを放ち、前半を0-0で折り返した。

　迎えた後半は広島が前半の勢いそのままに攻めかかる。すると後半4分、右サイドを突破したミキッチがライナー性のクロスを入れる。ニアサイドの石原が必死に足を延ばしてコースを変えると、最後はゴール前の佐藤がシュート。ゴールネットへ押し込み、広島が先制に成功した。GK西川も含む全選手がゴール裏で"弓矢"のゴールパフォーマンス。2012シーズン初ゴールを喜んだ。

　流れを変えたい浦和は後半11分、田中に代えて、FWデスポトビッチをピッチへ送った。すると4分後の後半14分、デスポトビッチが決定機を迎える。PA内左でボールキープ。DF陣を引きつけたところで中央の柏木に折り返す。DFに囲まれながらも柏木が粘ったが、ゴール前へ詰めていた平川へのパスはつながらなかった。同32分には山田に代えて、FWポポを投入。なんとか同点に追いつこうと奮闘をみせる。終了間際には槙野が攻め上がり、シュートを狙うも、再び西川が好セーブ。1点が遠い。

　リードした広島は後半29分にはミキッチに代えて、MF石川大徳。同45分には石原に代えて、FW大崎淳矢をピッチへ送った。その後は西川を中心とした守備陣が奮闘。高萩も運動量高くプレーし、守備でも貢献。佐藤の1点を守り切った広島が1-0で逃げ切り、白星を手に入れた。

　終わってみれば広島が14本と浦和の5本を大きく上回るシュートを放ち、1点を守り切ると勝ち点3を手に入れた。試合後、監督して初采配の一戦で勝利を手にした森保監督は「我々は浦和の誰と戦うとかではなく、開幕戦でホームで勝とうと試合に臨んだ」と浦和との一戦への思いを話すと「選手たちが状況に応じて的確なプレーをしてくれた」と初勝利に笑顔をみせた。