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終盤に激しい点の取り合い、森脇の決勝弾で広島が神戸に競り勝つ

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[5.19 J1第12節 広島3-2神戸 広島ビ]

 J1の第12節が19日に各地で行われた。公式戦2連敗中の3位サンフレッチェ広島はホームで同じく公式戦2連敗中の11位ヴィッセル神戸と対戦。広島が1点リードで迎えた後半31分、神戸がMF野沢拓也のゴールで追いつくと、試合は激しい点の取り合いになったが、終了間際のロスタイム1分にDF森脇良太が決めたゴールが決勝点となり、広島が3-2で勝利した。

 広島は前節の横浜FM戦(1-3)と同じ先発メンバー。ゴールマウスを日本代表GK西川周作が守り、1トップは今季通算9得点のJ1得点王FW佐藤寿人が務めた。一方の神戸も前節と先発は変わらず。とはいえベンチメンバーは大きく変化。GK辻本魁人とDF河本裕之が今季初のベンチ入りを果たしたほか、プロデビューを飾った16日のナビスコ杯・清水戦(1-2)でゴールを決めた下部組織所属のMF松村亮がJ初のベンチ入り。また故障明けのFW田代有三が4戦ぶりにベンチに入った。

 立ち上がり、サイド攻撃から幾度か決定機をつくった神戸だったが、それをものにすることができず。次第に流れは広島へ傾いた。すると早くも前半12分、MF高萩洋次郎の右CKに飛び込んだ水本がゴール正面からヘディングシュート。水本の今季初ゴールが決まり、1-0と先制に成功した。

 その後も広島は攻撃の手を緩めない。前半23分には再び高萩の右CKにDF千葉和彦が頭で合わせたがポスト右を叩く。同24分にはMF石原直樹が左サイドから強烈なミドルシュートを狙ったが、クロスバーに弾かれた。チャンスはつくるものの追加点は奪えない。シュート数でも上回った広島が1点のリードを守って、1-0で前半を折り返した。

 後半開始から神戸はFW吉田孝行に代えて、MF森岡亮太を投入。しかし、その後も流れを変えることはできず。後半22分にはMF朴康造に代わって、田代をピッチへ送った。故障明けのストライカーがピッチに立った。すると後半31分、ドリブルで仕掛けようとした田代が敵陣内左でDFに倒されてFKを獲得。ここで獲得したFKを野沢が蹴り込む。ゴールまで距離がある位置だったため、これにDFイ・グァンソンらが合わせようと飛び込んだが、ボールは誰に触れることもなく。そのままゴールネットへ吸い込まれた。野沢の鮮やかなFKで1-1に追いついた。

 そこからの残り約15分は激しい点の取り合いとなる。追いつかれた広島は佐藤に代わって、MF森崎浩司を投入。対する神戸はDF伊野波雅彦に代えて、MF田中英雄をピッチへ送る。すると直後の後半36分に神戸がついに逆転に成功。野沢の縦パスに右サイドへ抜け出した田中がダイレクトでクロスを入れる。ファーサイドに走り込んでいた森岡が左足シュートを流し込む。途中出場したばかりの田中のアシストで神戸が2-1と逆転に成功した。

 しかしホームで負けられない広島も意地を見せる。失点から3分後の後半39分、MF青山敏弘のパスに抜け出した石原がGKとの1対1を冷静に右足で流し込み、2-2。今季4点目を決めて、試合を振り出しに戻した。後半42分には広島が逆転のチャンスを得る。DF森脇良太の浮き球パスから高萩がヘディングシュート。これがゴールネットを揺らしたがオフサイドの判定。2度目の勝ち越しはかなわない。

 それでもこのまま試合終了かと思われた後半ロスタイム1分だった。横パスを受けた森脇が目の前のDFをかわすと、左サイドから中央へ流れながら冷静に右足を振りぬいた。森脇の今季2点目が決まり、広島が3-2と再びリードに成功。終了間際のロスタイム3分には森崎浩がドリブルで切れ込み、右足シュート。決定的なシーンだったが、ゴールライン上のDF北本久仁衛がクリアした。3-2のまま試合は終了。終盤の点の取り合いを制した広島が公式戦3試合ぶりの白星を手に入れた。

 試合後、決勝点を決めた森脇は「選手はもちろんビックアーチにいる皆さん、誰一人諦めなかったのがゴールにつながったと思います!ありがとう!!」と絶叫。「きょうはどんな形でもどんな勝ち方でも勝ち点3が欲しかった。また地に足をつけてハードワークをして戦っていきたい」と力を込めた。

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