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中村のPK失敗が響き、横浜FMはG大阪とスコアレスドロー

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[5.19 J1第12節 横浜FM0-0G大阪 日産ス]

 19日、J1は第12節1日目を行ない、4連勝中で順位も9位に浮上した横浜F・マリノスはホームに3試合勝利がなく17位に低迷するガンバ大阪を迎えた。前半は両チーム、ほとんど決定機をつくれない。後半に入り主導権を握った横浜FMは、後半17分にPKのチャンスを得たがMF中村俊輔のシュートはクロスバーに嫌われて、得点を挙げられない。その後もG大阪を押し込んだが、得点を挙げることはできず。0-0で試合終了のホイッスルを聞いた。

 両チームともに中盤がフラットな4-4-2でこの試合に臨んだ。横浜FMの最終ラインは右から小林祐三、栗原勇蔵、中澤佑二、ドゥトラ。ドイス・ボランチに兵藤慎剛、富澤清太郎が入り、2列目は右に中村俊輔、左に齋藤学。2トップには小野裕二とマルキーニョスが入った。対するG大阪はDFが右から丹羽大輝、中澤聡太、今野泰幸、藤春廣輝。ボランチに明神智和と遠藤保仁が入り、中盤の右に寺田紳一、左に倉田秋。2トップは前節に続き、佐藤晃大とパウリーニョが起用された。

 試合開始直後、G大阪はPA内にMF倉田秋がドリブルで侵入し、シュートを放ったが、DF中澤佑二にブロックされる。対する横浜FMも前半6分に左サイドからMF齋藤学のドリブルからPA内でボールヲ受けたFW小野裕二がゴールを狙ったが、こちらもDFにブロックされた。

 G大阪はボールを回すが、横浜FMの固い守備の前になかなか決定機をつくれない。だが18分にはMF遠藤保仁がPA外からシュートを放つ。これはGK飯倉大樹にパンチングで弾かれたが、意外性のある精度の高いシュートでゴールを脅かした。同24分には遠藤のCKからDF中澤聡太がヘディングでゴールを決めたが、競り合いの中でファウルがあったとしてゴールは認められず、横浜FMにFKが与えられた。その2分後には、横浜FMがFKからチャンスをつくったが、こちらも体を張ったG大阪の守備にブロックされる。

 試合は膠着状態になり、33分にG大阪はFWパウリーニョが遠目からゴールを狙い、35分には横浜FMもMF富澤清太郎が、同37分には小野がミドルシュートを放つ。互いに守備を崩す前にフィニッシュを狙ったが、得点にはつながらない。同40分には横浜FMのDFドゥトラが倒されて、FKを獲得。MF中村俊輔がゴールを狙ったが、ボールはゴールの左に惜しくも外れた。このまま前半はスコアレスで折り返す。

 後半、最初のチャンスをつくったのは横浜FMだった。後半4分、右SB小林祐三が右サイドからロングボールを入れると、前線でDFを背負いながらFWマルキーニョスがヒールで左に流す。そのボールを受けた小野がフリーでシュートを狙ったが、GK木村敦志の好守に防がれる。さらに1分後にも波状攻撃から最後は齋藤がPA内でシュートを放つが、ボールはGKにキャッチされた。

 劣勢に立たされるG大阪は、後半11分にMF寺田紳一を下げて、MF武井択也をピッチに送り出した。だが、試合の流れは変わらず。同15分にドゥトラのスルーパスを受けた齋藤がPA内でDFに倒されて、PKを獲得した。PKのキッカーは中村。絶好のチャンスだったが、左足で蹴ったボールはクロスバーを叩き、外れて行った。

 助けられたG大阪は、後半19分に2人目の選手交代を行う。パウリーニョを下げて、MF佐々木勇人を投入する。その直後、G大阪はPA内でDF藤春廣輝がシュートを放ったが、GKに防がれた。同22分に横浜FMはPKを獲得したときに負傷した齋藤を下げて、G大阪ユース出身のFW大黒将志をピッチに送り出した。同26分にはCKの流れから、マルキーニョスがシュート。そのボールをゴール前で大黒が合わせようとしたが、シュートはミートできずにGKにキャッチされた。

 試合を優勢に進める横浜FMは後半31分にも、分厚い攻撃を見せる。左サイドでドゥトラとの縦のワンツーで抜け出した小野がクロスを入れると、右SB小林がヘッドで折り返す。ゴール前に大黒が飛び込んだが、ボールは直前でG大阪DFがクリアーしてGKに逃れた。同34分に横浜FMはMF兵藤慎剛を下げて、MF谷口博之を送り込む。同35分にはG大阪の佐々木が左足を痛め、FWイ・スンヨルとの交代を強いられた。

 後半38分にも右サイドの小林のクロスをゴール前でマルキーニョスが合わせたが、シュートは上に外れて行く。一方的にG大阪を押し込む横浜FMは同40分にも小野が左サイドから中央に切れ込みシュートを狙ったが、ボールは上に外れて行った。

 G大阪も後半41分、ようやく高い位置にボールを運ぶと、最後は藤春がシュートを放ったが、ボールはGKに抑えられる。後半ロスタイムには、左サイドの小野のクロスにゴール前で大黒が合わせたが、シュートはGK木村に抑えられた。ここで横浜MFは小野を下げてMF狩野健太を入れる。試合終了間際にはドゥトラのクロスから再び大黒がヘッドでゴールを狙ったが、ボールはゴール左に外れて行った。

 結局、試合はこのまま0-0のスコアレスで終わり。後半、数多くの決定機をつくった横浜FMだが、1点が遠く4連勝を逃した。対するG大阪は4試合連続で勝利なし。しかも、4試合中3試合がノーゴールと、これまで毎年のようにリーグ最多得点を挙げてきたチームの面影がなくなっている。

(取材・文 河合 拓)

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