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上位対決は浦和が制し公式戦連勝、10人の清水は5戦ぶり黒星

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[5.19 J1第12節 浦和1-0清水 埼玉]

 J1第12節は19日、各地で8試合を行い、埼玉スタジアムでは5位浦和レッズと2位清水エスパルスが対戦した。浦和は前半42分、日本代表MF阿部勇樹のゴールで先制すると、清水のMFアレックスが後半9分に退場。数的優位に立った浦和がそのまま1-0で逃げ切った。16日のナビスコ杯・川崎F戦(3-0)に続く公式戦2連勝で、リーグ戦は4試合ぶりの勝ち点3。一方の清水はリーグ戦5試合ぶりの黒星となり、暫定3位に順位を落とした。

 浦和はFWポポが公式戦3試合ぶりに先発復帰。それ以外は前節12日のJ1新潟戦(1-1)と同じメンバーで臨んだ。
 DF岩下敬輔が出場停止の清水は出場停止明けのDFカルフィン・ヨン・ア・ピンが先発で穴を埋める形となった。前線ではFW高原直泰が4月22日のG大阪戦(1-3)以来、5試合ぶり今季2度目の先発となった。
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 立ち上がりは清水がボールポゼッションでは上回るものの、有効な崩しの形がなく、逆に浦和が速攻からチャンスをつくった。前半5分、左サイドをオーバーラップしたDF槙野智章がMF梅崎司とのワンツーから自ら右足ミドル。同8分にも高い位置でインターセプトしたMFマルシオ・リシャルデスのスルーパスからポポがシュートまで持ち込んだが、U-23日本代表に復帰したMF村松大輔が体を寄せ、ゴールを割らせなかった。

 清水は前半13分、DF李記帝が左足ミドルを狙ったのが初シュート。その後も決定的な形をつくれず、苦しい展開が続いた。浦和は同15分にもカウンターから好機をつくる。阿部が中央を駆け上がり、マルシオ、MF柏木陽介とつないでPA内に走り込んだ阿部がフィニッシュ。同19分にもロングボールに抜け出したマルシオの折り返しに柏木が頭で合わせる絶好機を迎えたが、いずれもゴールにはつながらなかった。

 試合は徐々にこう着状態に入り、互いにシュートまで持ち込めない時間が続く。それでも浦和は後半41分、柏木のサイドチェンジを受けたMF平川忠亮が右サイドからアーリークロス。PA内左サイドに抜け出したマルシオの左足シュートはGKの好セーブに阻まれたが、このプレーで獲得したCKから先制に成功した。

 柏木の左CKに頭で合わせた阿部のヘディングシュートはミートしなかったが、ボールが自分の目の前にこぼれ、右足で蹴り込む。前半42分、阿部の6試合ぶり今季2点目でリードを奪い、絶好の展開で前半を折り返した。

 後半も試合の流れは変わらない。清水の3トップは、守備時に5バック気味になる浦和守備陣を攻めあぐね、攻撃の糸口を見い出せない。浦和は後半8分、左サイドを突破した梅崎の折り返しに平川が合わせ、ゴールネットを揺らすもオフサイドの判定。惜しくも追加点とはならなかったが、同9分、清水のMFアレックスが2枚目の警告で退場となり、1点リードの浦和が数的優位に立った。

 一気にたたみかける浦和は後半14分、柏木のスルーパスにマルシオが反応するが、シュートはゴール上へ。同16分にはポポに代えて日本代表FW原口元気を投入した。10人でまずは同点に追いつきたい清水は後半19分に2人を交代。高原と李を下げ、FWジミー・フランサとMF小林大悟をピッチに送った。MF河井陽介が左SBに下がり、中盤に村松と小林。3トップの中央にフランサが入った。

 2点目を取って試合を決めたい浦和は立て続けにチャンスをつくる。後半22分、原口が個人技でフィニッシュに持ち込むと、同25分にはスルーパスから右サイドを抜け出した原口がゴールラインぎりぎりから折り返したが、柏木のシュートはGK林彰洋が至近距離でセーブ。追加点を奪えなかった。

 清水は後半28分、FW高木俊幸が狙った右足ミドルがこの試合、4本目のシュート。いずれも単発のミドルシュートで、浦和守備陣を脅かすような攻撃を見せられなかった。後半41分にはDF吉田豊に代えてFW伊藤翔を投入し、最後のカードを切ったが、最後までゴールが遠く、5戦ぶりの敗戦。3月10日の名古屋との開幕戦(0-1)以来、公式戦14試合ぶりの無得点に終わった。

(取材・文 西山紘平)

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