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横浜FM・中村「勝ち点2を自分の足で返す」

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[5.19 J1第12節 横浜FM0-0G大阪 日産ス]

 0-0で迎えた後半17分、横浜F・マリノスに絶好のチャンスが訪れた。DFドゥトラからのスルーパスを受けたMF齋藤学がPA内で倒されて、PKを獲得した。ボールを置いたのはセットプレーの名手、MF中村俊輔だった。しかし、中村のシュートはクロスバーを叩き、ピッチ外へ外れて行った。「もう少し低く蹴ろうとしました。あんまり見たことのないGKだったから、左に飛ぶかなと思って」と中村は言い、微妙な感覚のズレを口にした。

「あんな所に蹴った感覚もなかったから、ちょっと修正しないといけない。遠いセンタリングっぽい(ボールを蹴る)FKでも、最近はすごいニアで引っかかったりしています。自分の感覚でやっているのに引っかかるから、練習して(修正したい)。もうちょっと強く蹴って落とした方がいいのか、感覚がよく分からない。キックが自分の思うようにいかなくなると、もう引退するしかないからね。ヤバイから、危機感を持って頑張ります」。

 PKを逃したチームが、その後に主導権を失い、得点を許すパターンはよくある。しかし、この試合、横浜FMはG大阪を相手に、最後までボールを握り、チャンスをつくり続けた。DF中澤佑二は「後ろは後ろの仕事をした」と胸を張る。「PKを外したときは、相手にPKが与えられたり、カウンター一本でやられたりすることがある。今日は(栗原)勇蔵と声を掛けて対応できた」。実際に、G大阪にゴール前ではチャンスらしいチャンスを与えなかった。

 中村もチームメイトに感謝を述べる。「(自分が)外した後も、みんな集中して、もう1点取りに行くという姿勢が出ていました。味方はゼロ(失点)に抑えてくれたし、自分が外したことで崩れて行くのはイヤだった。あのあと下向きにならないで頑張ってくれたことは、チームメイトに感謝したいです。試合が終わったと同時に、今日は勝ち点2を落としてしまったから、その分、自分の足で取り返せるようにという気持ちになりました」。

 連勝は4で止まったが、7試合ぶりに90分を無失点で終えるなど、良い面も見えた。キャプテンと同じように、FWマルキーニョスも「チャンスはつくったが決められなかった。サッカーにはよくあること。トレーニングして、次につなげたい」と前を向いた。次節は好調・清水と26日にアウェーで対戦する。攻撃陣がこの日の「借り」を返す場は、すぐにやってくる。

(取材・文 河合 拓)

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