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負傷者続出に体調不良…アクシデント重なった仙台は終盤に力尽く

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[5.26 J1第13節 川崎F3-2仙台 等々力]

 “スクランブル体制”の総力戦も勝ち点には結びつかなかった。ベガルタ仙台はMF関口訓充、DF上本大海の主力2選手が負傷離脱。負傷明けのDF渡辺広大もまだ万全ではないことから、本来はボランチの角田誠をCBで先発起用した。

 さらに左SB朴柱成が足首痛、右SB菅井直樹も左内転筋痛を抱えていた。故障者続出の最終ライン。朴を含めた19人が遠征メンバーに入り、最終的に朴がベンチ外、菅井は先発となったが、ハーフタイムにさらなるアクシデントが襲った。

「前半終わったとき、田村が具合が悪くなって、もどしてしまった」。そう明かした手倉森誠監督は左SBで先発していたDF田村直也を下げ、後半開始からDF内山俊彦を投入。「誤算だった。一番元気だったやつが……」と、計算外の交代を余儀なくされ、もともとフル出場は難しいと考えていた菅井も後半14分に渡辺に代えた。

「菅井がある程度のところまでやって、内山に代えるのがプランだった。最終ラインで2枚代えざるを得なかったことで苦しくなった」。渡辺はCBに入り、角田がボランチにポジションを上げ、右SBにはボランチで先発したMF松下年宏が下がった。松下は後半25分に交代。その後は角田が右SBを務めるなど、目まぐるしくポジションが変わっていった。

 結局、最後は右サイドで相手の左SB福森晃斗をフリーにしてしまい、クロスから決勝点を決められた。「後半はスクラム状態になって、最後の失点につながったが、ケガ人をみんなでカバーしようという意識や、試合の中でどんどんポジションが変わってもやり切ろうとする姿勢にはチームの団結力が見えた」。そう選手をねぎらった指揮官は「負けなくていい試合で結果、2-3となったが、仙台らしい強さは見せられたと思う」と、敗戦の中にも収穫を見い出していた。

(取材・文 西山紘平)

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