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柏がネルシーニョ“復帰戦”で横浜FMに4発圧勝!決勝進出に王手

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[9.7 ナビスコ杯準決勝第1戦 柏4-0横浜FM 柏]

 ナビスコ杯の準決勝第1戦が7日に2会場で行われた。日立柏サッカー場では、柏レイソル横浜F・マリノスが激突。優勝経験チーム同士による一戦は、前半からホームの柏が圧倒する。前半18分にFW田中順也が先制すると、44分に田中が2点目、アディショナルタイムにはMFジョルジ・ワグネルがダメ押し。後半に入ると横浜FMが攻勢をかけるもののゴールは遠く、逆に、40分にジョルジ・ワグネルに直接FKを許し万事休す。柏が4点差をつけて第1戦をものにし、14年ぶりの決勝に向けて大きく前進した。

 辞意を撤回したネルシーニョ監督の“復帰戦”となった柏は、FW工藤壮人とDFキム・チャンスを代表戦で、MFレアンドロ・ドミンゲスを療養中のため欠く中での一戦。ターンオーバーを実施した4日の天皇杯筑波大戦(4-2)から主将のMF大谷秀和、DF近藤直也ら主力組が復帰し、筑波大戦で2得点1アシストの活躍を見せたFWクレオがスタメンに入った。

 リーグ首位と好調の横浜FM。日本代表に招集されたMF齋藤学に代わってMF端戸仁が入った以外は、ナビスコ杯得点王(6得点)のFWマルキーニョス、MF中村俊輔ら直近の試合(J1第24節、対大宮0-1)と同じスタメンで臨んだ。
 
 ネルシーニョ体制となった2009年7月以降、公式戦で横浜FMに負けなし(5勝3分)の柏が、早速相性の良さを示す。ボールが落ち着かない立ち上がりとなり、攻撃のカタチを作れない展開となったが、18分、MF狩野健太の縦パスは一度はDFドゥトラに触られるが、こぼれ球をジョルジ・ワグネルが拾い、中央に鋭いパスを送る。田中が絶妙なトラップから左足を振り抜くと、矢のようなシュートがゴール左隅に突き刺さり、ホームの柏が先制する。

 スコアが動くと両チームともに落ち着きを取り戻し、ゴール前での場面を多く創出する。前半23分、中村俊輔、MF兵藤慎剛、MF小椋祥平とつなぎ、小椋のスルーパスからドゥトラが左足を振り抜いたが、シュートはゴールポストをかすめ同点とはならなかった。1分後にはセットプレーからチャンス。中村俊輔のFKからマルキーニョスがヘディングで合わせるが、今度はGK菅野孝憲の好守に阻まれた。

 柏も反撃に出る。25分に自陣からカウンターに出ると、ゴール前まで一気に5人が詰め寄り、最後はクレオがシュート。GK榎本哲也がこぼしたところに田中がつめるが、シュートはゴールマウスを大きく外れていった。3分後にも柏のカウンターが決定機につながる。左サイドに流れたジョルジ・ワグネルのクロスを狩野がPA内でトラップし、体勢を崩しながらもシュートを打つが、クロスバーをかすめてゴールラインを割ってしまった。

 柏が1点リードのまま後半を迎えるかと思われた44分、狩野の縦パスに抜け出た田中は、PA内でDF中澤佑二を背負いながらもワントラップで突き放すと、再び左足を一閃。ゴールネットを揺らし、柏がリードを2点に広げる。さらに前半アディショナルタイム、横浜FM陣内でクレオが端戸からボールを奪うと、ジョルジ・ワグネルからクレオへとつなぐと、ゴール中央のジョルジ・ワグネルへとリターン。これを左足で流し込み、3-0として前半を折り返す。

 後半開始から端戸に代えてMF佐藤優平を投入した横浜FMが怒涛の反撃を仕掛ける。2列目の中村俊輔、MF兵藤慎剛、佐藤優が積極的にボールに絡む。セカンドボールをことごとく横浜FMが拾い、柏ゴールに迫る。9分にはDF小林祐三のクロスに、ボランチのMF中町公祐が飛び込むが、GKの正面をついてしまった。

 防戦一方の展開を強いられた柏は、手数をかけずにカウンターを時折しかけるが、前半のように人数をかけることができず、決定機をつくることができない。迫力のある攻撃を見せることができない柏だが、守備陣は高い集中を維持。近藤、DF鈴木大輔を中心に鉄壁の守備を見せる。

 横浜FMはマルキーニョスがフリーでヘディング、佐藤優がGKと1対1など、決定機をいくつも作り出すがものにできないでいると、同40分にはジョルジ・ワグネルにFKを直接沈められて、4点目を許す。

 大量リードを奪った柏がアディショナルタイムの4分も含めた横浜FMの攻撃をしのぎ、公式戦6試合ぶりの無失点で4-0の圧勝。大敗を喫した横浜FMはホームでの次戦で最低でも4点が必要となる苦しい展開になってしまった。第2戦は、10月12日にニッパツ三ツ沢球技場で行われる。

(取材・文 奥山典幸)

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