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2年ぶり4失点の横浜FM、“ネルシーニョ柏”に9戦勝ちなし…

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[9.7 ナビスコ杯準決勝第1戦 柏4-0横浜FM 柏]

「しっかり受け止めている。残念な結果」。0-4という予期せぬ大敗に横浜F・マリノスの樋口靖洋監督は落胆の表情を浮かべた。前半だけで0-3。4-1-4-1で臨んだ柏レイソルは、DF近藤直也が言うように、「守備が上手くはまった」。MF大谷秀和がアンカーに入り、MF栗澤僚一は一列ポジションを上げると、栗澤とFW田中順也が横浜FMのダブルボランチMF中町公祐とMF小椋祥平にプレッシャーをかけ、横浜FMの前線4人へのボールは網にかかった。奪われたボールは、柏の鋭いカウンターの餌食になった。

 ハーフタイムには「アウェーゴールで状況は大きく変わる」と樋口監督が選手に激を飛ばすと、後半は横浜FMが圧倒。セカンドボールを支配し、怒涛の攻撃を仕掛けた。後半だけでCK5本、直接FK15本と得意のセットプレーでもチャンスはあったがゴールは遠かった。結局、中央を固めた柏ディフェンスを最後まで崩すことができず、8月31日のJ1第24節大宮戦(0-1)に続いて2試合連続無得点で終わった。

 無得点よりはるかに致命傷となったのが失点「4」。11年12月29日の天皇杯準決勝京都戦(2-4)以来約2年ぶりとなる4点献上に、横浜FMの選手は落胆した。鉄壁のセンターバック中澤佑二もこの日は2失点に絡んでしまった。柏の2点目はマークについていながら一瞬の隙をつかれて田中にシュートを決められ、4点目は田中をファウルしたことによって与えたFKをMFジョルジ・ワグネルに直接ねじ込まれた。「足元でつないでいきたい僕らに対して、アグレッシブに前からきて。大宮もそうだし。ガチャガチャ来るチームには勝てないんでしょうね……」。大宮戦に続く連敗に、中澤は相性の悪さを挙げた。相棒のDF栗原勇蔵も「相性が悪くても、ここまで点差を広げられると思わなかった」とショックの色を隠せない。

 またしても“ネルシーニョ柏”の軍門に下った横浜FM。前回、7月31日の対戦(1-1)では、内容で圧倒していたが、この試合では柏のゲームプランに対抗できなかった。これでネルシーニョ体制となった2009年7月以降、公式戦で3分6敗の9戦勝ちなしに。

 厳しい状況に追い込まれたが、10月12日には第2戦が待っている。追い込まれた分、これまでとは違う戦い方ができるかもしれない。「次は4点以上とるのが明確なので、いい準備をしてリベンジしたい。今回の借りはホームで返す」。指揮官は“奇跡の大逆転”を信じてホーム・ニッパツ三ツ沢球技場での第2戦に臨む。

(取材・文 奥山典幸)

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