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プロ初ゴールの横浜FM佐藤優平、天敵・柏からの5年ぶり勝利に「次はいける」

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[10.12 ナビスコ杯準決勝第2戦 横浜FM2-0柏 ニッパ球]

 チームを勢いに乗せるプロ初ゴールだった。1-0で迎えた前半アディショナルタイム、柏が判定を巡って集中力が切れたところを、MF中村俊輔、MF兵藤慎剛とつなぐと、ゴール前につめていたMF佐藤優平が決めた。逆転での決勝進出には4得点が必要な状況で、2-0で前半を折り返す理想的な展開に持ち込んだ。

「途中でシステムを代えると言われていたので、最初からとばしました。最初の交代は自分かもと思っていたので」

 日本代表に選出されたMF齋藤学を欠く中、2列目の左に抜擢されたのが佐藤優だった。「スタメンだったりベンチ外だったり繰り返している中で強い気持ちで臨んだと思う。元々ボランチの選手で、経験のない中でも彼の良さが出た」。慣れないポジションでの活躍を、後ろから見ていたDF中澤佑二はそう評価していた。

 佐藤優の活躍を支えたのは、試合中周囲のベテランたちからのアドバイスだ。「前にいて欲しい」と左サイドでコンビを組んだ40歳の大ベテランDFドゥトラが言えば、「ここにいろ」と35歳の大黒柱MF中村俊輔も要所要所で指示を出していたという。

 マッチアップした柏レイソルの右サイドバックも、佐藤優同様本職の選手ではなくセンターバックのDF鈴木大輔が入った。この采配も佐藤優にとっては吉と出た。「中に入ってもついて来なかった」ため、ピッチを自在に駆け回った。しかし、後半に入って柏が右サイドバックにDF藤田優人を投入すると「藤田さんはついて来た」ため存在感は薄れていき、後半32分にはピッチを後にするも、交代の際にはサポーターから盛大な拍手が送られた。

 惜しくも決勝進出には届かなかったが、柏がネルシーニョ監督になって以降10戦目でようやく初勝利をつかんだ。「柏には自分が試合に出ていないときからやられていた。今日は何もさせなかった。次はいける」。5年ぶりの天敵からの勝利で、佐藤優は揺るがない自信を覗かせていた。

(取材・文 奥山典幸)

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