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「やり残したこと」の実現へ、柏FW工藤が国立でのナビスコ制覇を誓う

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 国立競技場メインスタンドの階段をカップウィナーとして上がるーー。ナビスコ杯決勝前日の公式連取後に柏レイソルのFW工藤壮人は「やり残したこと」として挙げた。12年度の天皇杯を制した柏だが、決勝の舞台に工藤は立っていなかった。準決勝対横浜FM戦。柏を初の決勝に導く決勝点を奪ったのは工藤だったが、後半アディショナルタイムに警告を受け、決勝はスタンドで観戦した。「下で見てたので、悔しさはある」と工藤は振り返った。

 明日行われる決勝で、柏は主将のMF大谷秀和とDF橋本和の主力2人を出場停止で欠く。「天皇杯決勝は自分なりにチームのために働きました。タニくん(大谷)も紅白戦でBチームから、こうしたほうがいいとかアドバイスをしてくれて、とても力になった」。大舞台を戦えない無念は工藤も味わっているだけに、欠場するキャプテンへの感謝を述べると、「優勝して一緒に喜びたい」と改めて勝利への想いを口にした。

「相手をリスペクトし過ぎず、まずは失点しないところから」。工藤が指摘するように、立ち上がりに失点するという悪癖を解消することが、勝利への第一歩となる。1週間前に行われたJ1第30節の浦和戦でも、前半11分までに2点を献上。同14分には工藤が1点を返したものの、そのまま浦和に逃げ切られた。しかし、柏は敗戦の中に手応えもつかんでいる。後半はリーグ屈指の攻撃力を誇る浦和をシュート0本におさえることに成功した。「前の試合で手応えをつかめたし、個人的にはゴールを決められた。いいカタチで決勝に臨める」。エースの工藤は自信をみなぎらせていた。

 2年前のJ1最終節、浦和に勝利してJ1制覇をなしとげた柏だが、その後は対浦和4連敗中。「なかなかレッズに勝てていないけど、それももう終わりでいいんじゃないかなと。内容でも圧倒して、カップを掲げて悪い思い出を払拭できれば。レイソルの勝負強さをみなさんにお見せできればいい」。改修前の国立では最後のナビスコ杯決勝で、工藤はやり残したことを遂げられるのか。宿敵・浦和との、タイトルを懸けた一戦は、明日2日13時5分キックオフだ。

(取材・文 奥山典幸)

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