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柏が4季連続のタイトル獲得!! 浦和を完封し、14年ぶり2度目の優勝!

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[11.2 ナビスコ杯決勝 浦和0-1柏 国立]

 ナビスコ杯は2日、決勝を行い浦和レッズ柏レイソルが対戦した。2年ぶり4度目の決勝進出を果たした浦和と14年ぶりに決勝まで勝ち進んだ柏。2度目のナビスコ杯優勝を目指す両チームによる一戦は、前半ロスタイムにFW工藤壮人のゴールで柏が先制する。後半に入ると浦和も猛反撃を見せたが、最後まで集中を切らすことなくゴールを守り切り、1-0で勝利。14年ぶり2度目の優勝で、4シーズン連続のタイトル獲得という偉業を成し遂げた。

 10月27日に行われたJ1第30節でも対戦した両チームだが、その試合に2-1で勝利した浦和は、出場停止だったDF森脇良太とFW興梠慎三がスタメンに戻り、ベストメンバーで大一番を迎えている。一方、柏は左SB橋本和とキャプテンのMF大谷秀和が出場停止。DF鈴木大輔、MFキム・チャンス、MF山中亮輔が負傷という苦しい状況。ネルシーニョ監督は、負傷明けのMFレアンドロ・ドミンゲスをスタメンで起用。さらにMF谷口博之を最終ラインに配置する3-4-2-1の布陣で、浦和にミラーゲームを挑んだ。
[スタメン&布陣はコチラ]

 両チームが慎重な立ち上がりを見せた中で、徐々に浦和のボールを保持する時間が長くなる。前半7分には右サイドのMF平川忠亮のアーリークロスを、PA内にいたFW興梠慎三がヘッドで合わせたが、シュートはGK菅野孝憲の正面を突いた。

 柏は前半15分に右WBの藤田優人が相手との接触で倒れ込み、その1分後にもFW工藤壮人がDF槙野智章との接触で倒れ込む。ベンチではネルシーニョ監督が苛立ちを露わにしたが、両選手ともピッチに戻りプレーを続行した。柏は高い位置までボールを運んでも、プレーの精度を欠き、フィニッシュまで持ち込めない。

 急造CBの谷口を突くためか、左のMFジョルジ・ワグネルとMFレアンドロ・ドミンゲスのショートカウンターを警戒してか、浦和は左サイドに比重を置いた攻撃を見せる。しかし、なかなか柏の守りを崩すことはできなかった。40分にはMF阿部勇樹がPA外から右足でゴールを狙ったが、シュートはGK菅野の正面を突いた。44分には原口がドリブルでDFを次々とかわし、シュートに持ち込んだがこれもDFにブロックされる。

 前半45分には柏もPA外にこぼれたボールをジョルジ・ワグネルがダイレクトでシュート。勢いのあるシュートはゴール右へ逸れて行った。このまま前半が終わるかと思われたロスタイム、柏は右サイドから藤田が鋭いクロスをゴール前に入れる。これをPA内で工藤がヘッドで合わせてゴール。前半を柏がリードで折り返した。

 後半に入ると、ハーフタイムに「もっと試合を楽しもう」というペトロヴィッチ監督の声を受けた浦和が、柏に対する圧力を強めていく。DF槙野智章が高い位置で仕掛け、ゴール前にクロスを入れるが味方に合わない。同14分にはMF鈴木啓太のスルーパスをMF柏木陽介が受けてフィニッシュに持ち込む。しかし、体を寄せられた柏木のシュートは、GK菅野にキャッチされて決定機を生かせない。

 後半16分には柏も速攻からゴールに迫り、MF茨田陽生のクロスをクレオがヘッドで合わせたが、シュートはクロスバーを越えて行った。1点を追う浦和は、後半24分に平川を下げて、MF関口訓充をピッチに送り出す。その直後の25分に浦和は決定機をつくる。左サイドに開いた原口が縦に仕掛けて、DFを引き付けてパス。そこに走り込んだ阿部が、滑り込みながらゴールを狙ったが、シュートは枠を外れて行った。

 柏は後半29分にクレオのパスからレアンドロ・ドミンゲスが抜け出す。さらに右の工藤にボールが出たが、シュートは懸命に戻ったDFにブロックされる。その直後にも高い位置でボールを奪い返した柏だったが、クレオからのパスを受けたレアンドロはシュートを打てずにリターンパスを出す。これが通らずにチャンスを生かせなかった。

 後半31分に柏は再三、狙われていた谷口に代えてDF増嶋竜也を起用する。浦和も鈴木を下げて、MFマルシオ・リシャルデスを送り出した。柏は34分にCKからクレオがヘッドでゴールを狙ったが、左サイドネットに外れて追加点を挙げることはできない。

 浦和も阿部と柏木の配置を入れ替えるなど、変化を付けながら攻め込むが、体を張る柏の守備の前にシュートが打てない。逆に柏は後半42分にPA内でMF栗澤僚一がシュートを打つが、GK山岸範宏の好セーブに阻まれた。これで得たCKをジョルジ・ワグネルがゴール前に入れると、レアンドロがヘッドで合わせたが、ここもGK山岸に防がれる。

 後半45分、猛攻を見せた浦和は興梠がシュートをゴールに決めたが、直前にファウルがあったと判定され、得点は認められなかった。焦る浦和は空回りし、チャンスをつくれず。逃げ切った柏が、14年ぶり2度目の優勝を飾り、2010シーズンのJ2優勝から4シーズン連続でタイトルを獲得した。

(取材・文 河合拓)
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