鳥栖フィッカデンティ監督が喪章着用、「選手というより、人として…」と元同僚DFへ哀悼の意
[3.7 ルヴァン杯GL第1節 湘南1-0鳥栖 BMWス]
サガン鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督は7日に行われたルヴァン杯の湘南ベルマーレ戦で、喪章を着用してピッチサイドに立った。「ショックなこと、悲しいことが起きた」。31歳で急逝したイタリア人DFダビド・アストーリへの哀悼の意を示すものだった。
この一戦からわずか4日前、“悲報”はイタリア国内で伝えられ、すぐさま世界をかけめぐった。多くのサポーターを抱える国内有数のビッグクラブ、フィオレンティーナの現役DFがウディネーゼ戦を控えた遠征先のホテルで亡くなったのだ。31歳の若さだった。
フィッカデンティ監督にとってアストーリは、来日前に指揮していたカリアリでの“部下”にあたる間柄だ。指揮官はクラブ事情で途中解任を挟んだものの、アストーリは背番号13が永久欠番になったほどの中心選手。2011~12年の約1年間にわたって信頼を置き、起用を続けていた。
「ここ何年か、なにか関係があったというわけではないから……。イタリアからインタビューの問い合わせがあったけれど、それも拒むような形になったので、ここだけでコメントするということは……」。試合後の会見で喪章の意味合いを問われたイタリア人指揮官は、ゆっくりと表現を選ぶように言葉を紡いだ。
うつむいた表情は、ときおり厳しくゆがんだ。ただ、つい先ほどまで「今年は“固いパン”を食べる年になる」とリーグ戦の難しさを説いていた時のものとは、印象が少し異なっていた。「サッカー界で生きている方も、そうでない方も、みんなショックを受けている」。いったん語ることを避けようとした指揮官だったが、さらに言葉を続けた。
「共にキャリアを過ごしてきて、彼の家族のことを考えて、一緒に頑張ろうというメッセージを伝えたかった。選手としてというより、人として一緒に過ごしてきたというメッセージを送りたかったんだ」。
試合の場ということもあり、最後まで多くを語らなかったフィッカデンティ監督。しかし、あえて語らなかったという心情も含めて、偉大なキャリアを築いた元同僚への真摯な想いが垣間見えた。
(取材・文 竹内達也)
●ルヴァン杯2018特設ページ
サガン鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督は7日に行われたルヴァン杯の湘南ベルマーレ戦で、喪章を着用してピッチサイドに立った。「ショックなこと、悲しいことが起きた」。31歳で急逝したイタリア人DFダビド・アストーリへの哀悼の意を示すものだった。
この一戦からわずか4日前、“悲報”はイタリア国内で伝えられ、すぐさま世界をかけめぐった。多くのサポーターを抱える国内有数のビッグクラブ、フィオレンティーナの現役DFがウディネーゼ戦を控えた遠征先のホテルで亡くなったのだ。31歳の若さだった。
フィッカデンティ監督にとってアストーリは、来日前に指揮していたカリアリでの“部下”にあたる間柄だ。指揮官はクラブ事情で途中解任を挟んだものの、アストーリは背番号13が永久欠番になったほどの中心選手。2011~12年の約1年間にわたって信頼を置き、起用を続けていた。
「ここ何年か、なにか関係があったというわけではないから……。イタリアからインタビューの問い合わせがあったけれど、それも拒むような形になったので、ここだけでコメントするということは……」。試合後の会見で喪章の意味合いを問われたイタリア人指揮官は、ゆっくりと表現を選ぶように言葉を紡いだ。
うつむいた表情は、ときおり厳しくゆがんだ。ただ、つい先ほどまで「今年は“固いパン”を食べる年になる」とリーグ戦の難しさを説いていた時のものとは、印象が少し異なっていた。「サッカー界で生きている方も、そうでない方も、みんなショックを受けている」。いったん語ることを避けようとした指揮官だったが、さらに言葉を続けた。
「共にキャリアを過ごしてきて、彼の家族のことを考えて、一緒に頑張ろうというメッセージを伝えたかった。選手としてというより、人として一緒に過ごしてきたというメッセージを送りたかったんだ」。
試合の場ということもあり、最後まで多くを語らなかったフィッカデンティ監督。しかし、あえて語らなかったという心情も含めて、偉大なキャリアを築いた元同僚への真摯な想いが垣間見えた。
(取材・文 竹内達也)
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