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PK失敗も涙の決勝進出…湘南FW梅崎「仲間に恵まれたと感じた瞬間」

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ホームを埋めたサポーターを喜びを分かち合った梅崎司

[10.14 ルヴァン杯準決勝第2戦 湘南2-2(PK5-4)柏 BMWス]

 2度先手をとっても、2度とも追いつかれる……。嫌な流れで湘南ベルマーレは、PK戦を迎えたていた。両チーム通じて最初にネットを揺らすことができなかったのは、湘南の3人目のFW梅崎司だった。「何にも緊張しなかったんですけど……。120分戦って疲れてたのか、軸足がしっかり踏み込めていなかったのか」。背番号7のシュートは、ゴールマウスを捉えることはできなかった。「絶対に下を向いちゃいけないなと、瞬間的に。本当に頼んだという思いしかなかったです」。

 その後、柏は2人がPKを失敗。チーム初のルヴァン杯決勝進出が決まった。PKでの決着がつく前から涙を流していた梅崎は、「サポーターも含めてみんなに助けられた。スタジアムの一体感がなかったら、相手も外すことなかったと想いますし、仲間に恵まれたなと感じた瞬間でした」とチームとスポーターに感謝を語った。

 まさに総力戦でつかんだ決勝進出だ。「基本的には(J1で)出ていない選手中心でグループリーグを戦ってきて、みんな反骨心で戦ってきて、いいパフォーマンスを見せて勝利を1個1個つないできた。チームも個人も、その都度成長をとげてきた感覚がある」。31歳のストライカーは、新たな歴史を刻んだ軌跡を回想する。

 10シーズン過ごした浦和で、ルヴァン杯をはじめ数々のタイトルを獲得してきた梅崎は、“優勝”の重要性を湘南の誰よりも知っている選手だ。「優勝しなきゃ得られないものってたくさんあるので。2位じゃ得られない。それをレッズ時代に何回も痛感してきて。僕が引っ張っていかないと、見せないとというのは、勝ち進んでいく中でずっと思ってました」。ルヴァン杯では2度、2011年(vs鹿島)と2013年(vs柏)に準優勝の悔しさを味わっている梅崎は、噛みしめるように言葉をつむいだ。

 奇しくも決勝の舞台は、10年間ホームとして戦ってきた埼玉スタジアム。当然、期するものはある。「特別な場所なので。成長した姿を埼スタで見せたいと思います。ベルマーレにきて、いい選手になったなと思われるようなプレーを見せたいです」。横浜FMとの決勝は、27日にキックオフを迎える。

(取材・文 奥山典幸)

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