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カメラは8台、ゴールライン上に沿ったカメラはなかった…VAR導入初日の成果、問題点

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ピッチ脇のモニターで映像を確認する山本主審

[9.4 ルヴァン杯準々決勝第1戦 G大阪1-0FC東京 パナスタ]

 ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が本格導入された記念すべき初日から、ゴールの判定が取り消される事象が発生した。

 後半6分、ガンバ大阪のMF高江麗央が放ったミドルがGK林彰洋の手を弾く。林がライン上あたりでキャッチしたボールは一旦はゴールと判定されたが、VARの介入があったことで山本雄大主審が映像で確認し、ゴールの取り消しを行った。

 試合を見守ったJリーグの原博実副理事長が試合後に報道陣に対応。「これからいろんな経験を積んで、VARチームも対応していくと思う。海外でも最初からうまくいくとは限らないが、今日はいい対応をしてくれたと思う」との評価を語った。

 しかしこの日の事象はゴールラインを越えたかどうかの判定だったが、原副理事によると、そもそもゴールラインに沿ったカメラは設置していないのだという。この日はスカパーでの中継ということもあり、Jリーグの公式映像は8台。ただ普段のリーグ戦を中継するDAZNも12台ほどで中継しており、いずれもゴールラインに設置されているカメラはないという。

 だがそのことは試合前に両軍にしっかりと説明されていた。また規定最低台数の8台でのテストとなったのは、来年から全試合で本格導入する場合を想定した実験の意味も込められたものだったとし、「VARチームも今日の事象で検証しながらやってくれると思う」と成果を強調。今後、ゴールライン上にカメラを設置するかどうかについても「予算を試算して実行委員会に提案している」ということで、「もっとも重要なのは、今日のような事象があった場合、よりクリアになるようにしなければいけない」との見解を示していた。

 原副理事も話していたが、今後は判定は正しかったのかというところから、VARの介入があるのか、ないのかといったところにストレスが移る可能性がある。「ゲームを左右する事象」にのみに介入するというVARの哲学を浸透させることが、まずは必要になりそうだ。

(取材・文 児玉幸洋)
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