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「何回負けたと思ったか」川崎F阿部、負のジンクス破った“初ゴール”

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ゴールを挙げ、咆えるMF阿部浩之

[10.26 ルヴァン杯決勝 3-3(PK4-5) 川崎F 埼玉]

 負のジンクスを打ち破った。MF阿部浩之が歴史を変える“初ゴール”だ。過去のルヴァンカップ決勝で4度敗れ、いずれも無得点だった川崎フロンターレ。前半10分に先制点を献上すると、攻撃を畳み掛けるも再三の決定機を逸し、嫌な流れが続いた。

「チームとしては絶対に点を取れると思っていた」。迎えた前半アディショナルタイム3分、ついに沈黙を破った。左CKからFWレアンドロ・ダミアンが頭で触ったボールがファーサイドに流れ、阿部が反応。PA内左角度のない位置から左足シュートでGKク・ソンユンの股下を抜いた。

「股は狙ってないですが、近かったので思いっきり打った」。5度目のルヴァン杯決勝で生まれた“初ゴール”。後半43分にはFW小林悠が逆転ゴールを挙げたが、90分で逃げ切れず。退場者が出た延長戦は3点目を奪われ、PK戦も先行されたが、劣勢を跳ね返して悲願を達成。「こんな試合ないでしょ、もう。何回負けたと思ったか」と冗談交じりに言い、笑った。

 G大阪時代の14年、前身のナビスコ杯優勝を経験した。同年の3冠、15年度の天皇杯と4つのタイトルを獲得し、17年に完全移籍で川崎Fに加入。するとキャリアハイの10ゴールを挙げてJ1優勝に貢献し、18年にリーグ連覇を達成。“シルバーコレクター”という不名誉な異名も過去のものとなった。

 そしてこの日、ルヴァン杯決勝の大舞台でゴールをこじ開け、カップ戦初優勝という新たな歴史をつくった。「みんなが諦めずに戦えたことが勝因かな。まだまだ課題はあるけど、点を取る部分、いい攻撃ができたのは良かった」。3年連続で歓喜をもたらした“タイトル請負人”が、またひとつ呪縛を打ち破った。

(取材・文 佐藤亜希子)
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