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田代が鹿島ホットラインで2発「どういうプレーするか一番わかってる」

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[5.26 ナビスコ杯GL第4節 浦和0-2山形 駒場]

 エースの奮闘でモンテディオ山形がGL突破に望みをつないだ。前半38分、左サイドからDF石川竜也のクロスをFW田代有三が強烈なヘッドで先制点を挙げると、後半18分には今度は右サイドからMF増田誓志が挙げたクロスを再びヘッドで叩き込んだ。田代が2-0勝利に導いた。

 「1本目は少しマイナスに入ったけど、いいボールが来たのでよかった。2本目は(増田)誓志がああいうボールを蹴るというのはイメージしていた。いいボールが来たので、あとはコースを狙うだけでしたね」

 うまさを感じさせるゴールだった。もともと高さのあるヘディングが武器だが、この日はスペースの突き方が良かった。浦和のDFラインがばらけたこともあるが、2本ともマークの薄いスペースに入り、フリーで頭を合わせた。競り合いでもうまいのに、フリーだとなおさらうまい。なんなく、ゴールネットに沈めてみせた。

 偶然にも“鹿島ホットライン”でゴールを奪った。先制点をアシストしてくれた石川は、2006年途中まで鹿島に在籍。一緒に練習していた過去がある。2点目の増田は言うに及ばず。昨季まで鹿島でプレーし、同じように出場機会を求めて山形にやってきた。「(増田)誓志とは鹿島のとき、サテライトとかでずっとやっている。あいつが持ったら、どういうプレーをするかは、僕が一番わかっていますから」と言い切った。

 くしくも、この試合には鹿島の強化部長である鈴木満氏が観戦に訪れた。田代は試合前に、連絡を受けて観戦に来ることを聞かされていたという。田代は鹿島からのレンタルで山形に加入。現状では鹿島に復帰する可能性が高く“古巣”の首脳陣へいいアピールにもなった。

 とはいえ田代は「(鹿島にアピールとか)そんなことは考えてなかった。きょう負けたらGL突破が難しくなっていたので、何とか勝ちたいと思っていた。決勝トーナメントにいけるチャンスが出てきた。それに向かって頑張りたい」と山形の一員として、チームのために戦っていることを力説した。

 今季は序盤こそ、山形のやり方に苦しんだが、今ではすっかり慣れてエースの座を掴み取った。リーグ戦は12試合4得点、ナビスコ杯は4試合2得点と、下位クラブのFWとしてはまずまずの結果を残している。上位2チームが決勝Tに進出できるが、今節を終えて上位3チームは磐田、浦和、山形が勝ち点7で並ぶ混戦模様。強敵ぞろいではあるが、エースがこれからもゴールを重ねて決勝Tに導く。

<写真>この日2得点の山形FW田代
(取材・文 近藤安弘)

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