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鹿島が0-2から逆転!延長戦制し4年ぶり4強へ

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[10.5 ナビスコ杯準々決勝 鹿島3-2(延長)横浜FM カシマ]

 ナビスコ杯は5日、各地で準々決勝を行い、カシマスタジアムでは鹿島アントラーズ横浜F・マリノスが対戦し、鹿島が3-2の逆転勝利を飾った。横浜FMは前半1分、オウンゴールで先制すると、同11分にはFW渡邉千真がPKで追加点を決めたが、鹿島も後半4分にFW興梠慎三、同28分にFW大迫勇也がゴール。2-2の同点に追い付き、延長戦に突入すると、延長後半6分にFW田代有三が勝ち越しゴールを決め、3-2の逆転勝利で120分間の死闘を制した。鹿島は4年ぶりのベスト4進出。9日の準決勝では名古屋と対戦する。

 鹿島は2日のJ1柏戦(0-1)から先発4人を変更。右SBでDF新井場徹が公式戦5試合ぶり、2トップの一角でFW大迫勇也が公式戦2試合ぶりに先発。ダブルボランチはMF小笠原満男とMF柴崎岳の組み合わせで、小笠原は公式戦4試合ぶり、ルーキーの柴崎は6月18日のJ1磐田戦(2-0)以来、プロ公式戦2度目の先発出場となった。
 横浜FMは日本代表DF栗原勇蔵が不在のため、DF青山直晃が公式戦3試合ぶりに先発。1日のJ1新潟戦(2-4)からは青山含めて先発4人が変わり、左SBでDF波戸康広、右MFで天野貴史が公式戦2試合ぶり、2トップの一角でFW渡邉千真が公式戦3試合ぶりに先発した。
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 激しい雨が降りしきる中、行われた試合は思わぬ形で幕を開けた。試合開始直後の前半1分、横浜FMはGK飯倉大樹が前線にロングフィードを放り込むと、渡邉と鹿島DF中田浩二が鹿島ゴールに向かって並走。ボールは2人の頭上を越えてくるかと思われたが、中田の頭をかすめ、軌道が変化。前に出ようとしていたGK曽ヶ端準の逆を突く形でそのままゴールマウスに吸い込まれた。

 当初は中田のオウンゴールとしてアナウンスされ、その後、GK飯倉による得点に訂正されたが、最終的にはオウンゴールに再訂正。いずれにせよラッキーな形で先制した横浜FMは前半11分にPA内で中田に倒されてPKを獲得した渡邉が自らゴール中央に蹴り込み、2-0とリードを広げた。

 最悪な立ち上がりとなった鹿島だが、早めに1点を返そうと反撃に出る。前半18分には大迫が左足で思い切りよくミドルシュート。柴崎が中盤から鋭いパスを供給するなど攻勢を強めたが、ラストパス、フィニッシュの精度を欠く。前半37分、MF野沢拓也の左クロスにFW興梠慎三が飛び込み、体を投げ出して右足ボレーを狙ったが、わずかに届かなかった。

 前半を0-2で折り返すと、鹿島は後半開始からMF遠藤康に代えてFW田代有三を投入。大迫が左サイドに出て攻撃のギアを上げりと、後半4分、左サイドを突破した大迫のクロスを興梠が胸トラップから左足を一閃。豪快にニアサイドを破り、1点差に迫った。

 鹿島の攻勢は止まらない。後半6分、野沢のスルーパスに抜け出した興梠のループシュートは惜しくもクロスバーの上。同16分、野沢の右CKを捉えた田代のヘディングシュートもわずかにゴール右に外れたが、同28分、PA手前でパスを受けた大迫がDFのプレッシャーをかいくぐって右足を振り抜き、ゴール左にねじ込んだ。

 2点差を追い付き、試合を振り出しに戻した鹿島はその後も逆転ゴールを目指して横浜FMを攻め立てたが、横浜FM守備陣も体を張って対抗。後半45分間は鹿島ペースで進んだが、2-2のまま90分間が終了し、延長戦にもつれ込んだ。

 延長戦も後半の流れそのままに鹿島がリズムよく攻撃を仕掛けた。延長前半開始から興梠に代えてFWタルタを投入すると、タルタがそのスピードを武器に左サイドからチャンスをうかがい、攻撃に変化を付ける。そして延長後半6分、新井場の右クロスを田代が頭でねじ込み、決勝弾。延長3-2。2点差をひっくり返す劇的勝利で、鹿島が3年連続で敗退していた準々決勝の壁を破り、ベスト4に駒を進めた。

(取材・文 西山紘平)

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