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暫定監督の川崎FがJ1首位の仙台に3発快勝、約1か月ぶりの白星

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[4.18 ナビスコ杯第3節 川崎F3-1仙台 等々力]

 ナビスコ杯は18日、各地でグループリーグ第3節を行い、川崎フロンターレはホームでベガルタ仙台と対戦した。前半ロスタイムにMF田坂祐介、FW小林悠の連続ゴールでリードを奪うと、後半9分に退場者を出したが、同12分に小林がこの日2点目。仙台の反撃を後半45分のMF武藤雄樹の1点に抑え、3-1で快勝した。相馬直樹前監督を解任し、14日のJ1G大阪戦(2-3)に続いて望月達也コーチが暫定的に指揮を執った川崎Fは3月17日のJ1鹿島戦(1-0)以来、公式戦7試合ぶりの勝利。J1で首位を走る仙台に快勝し、約1か月の白星を飾った。

 望月コーチによる暫定指揮2戦目の川崎Fは体調不良のMF中村憲剛がベンチ外となり、代わってMF稲本潤一が3月20日のナビスコ杯・鳥栖戦(1-2)以来、公式戦6試合ぶりの先発。それ以外はG大阪戦から変更はなかった。
 仙台は14日のJ1柏戦(3-2)から先発7人を入れ替えた。GKは桜井繁が今季公式戦初先発。最終ラインは右から田村直也、渡辺広大、鎌田次郎、内山俊彦と並び、鎌田を除く3人が柏戦から変わった。2列目の左サイドでは武藤がナビスコ杯3試合連続の先発。2トップはFWウイルソンとFW柳沢敦の組み合わせだった。
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 試合は静かな立ち上がりとなった。仙台は前半12分、MF太田吉彰が右足で強烈なミドルシュート。GK西部洋平が前にこぼしたところに武藤が詰め、ゴールネットを揺らすが、これはファウルを取られた。徐々にホームの川崎Fがボールポゼッションを高め、試合の主導権を握っていく。前半18分、FWレナトが左足でミドルシュート。同20分にもロングボールを受けたレナトが自らフィニッシュにまで持ち込むが、シュートはいずれもゴールの枠を捉え切れなかった。

 カウンターから好機をうかがう仙台も前半24分、柳沢が右サイドに展開し、太田がゴールラインぎりぎりから折り返す。ファーサイドにまで流れてきたボールを武藤が右足でシュート。しかし、ここはカバーに入ったDF森下俊が体を投げ出してクリアするファインプレーでピンチを救った。

 FW矢島卓郎と小林の2トップに2列目の右サイドを基本ポジションとするレナトが流動的に絡みながら攻撃を仕掛ける川崎Fは前半31分、ドリブルで駆け上がったレナトのヒールパスから小林が右足でミドルシュート。しかし、これも大きく枠を外れ、同32分の矢島の右足ミドルはクロスバーを直撃した。

 押し込みながらも点を奪えず、そのまま0-0で前半終了かと思われたロスタイム、試合は大きく動いた。前半46分、PA内右サイドに抜け出した小林が右足でクロス。DFに当たってゴール前に浮き上がったボールを矢島がバックヘッドでつなぎ、最後は田坂がヘディングでねじ込んだ。

 田坂の公式戦2戦連発弾でついに均衡を破ると、さらにロスタイム3分が経過した前半48分、レナトの浮き球のパスに抜け出した小林が前に出てきたGK桜井もかわして左足で無人のゴールに流し込む。仙台の選手はオフサイドを主張し、副審に抗議したが、得点は認められ、小林も公式戦2戦連発のゴール。川崎Fがロスタイムの連続ゴールで2-0とリードを奪い、前半を折り返した。

 川崎Fは後半9分、DF實藤友紀が2枚目の警告で退場。レナトを下げ、DF田中裕介を急きょ投入した。数的不利に立たされた川崎Fだが、直後に試合を決定づけた。後半12分、田坂のスルーパスからDF小宮山尊信が左サイドを抜け出し、グラウンダーのクロス。走り込んだ小林が右足アウトサイドで合わせ、3-0と突き放した。

 今季初の3失点となった仙台にとって公式戦での1試合3失点は昨年9月28日のナビスコ杯・磐田戦(0-3)以来、約7か月ぶり。後半14分に柳沢に代えてMF関口訓充、同16分には田村に代えてDF菅井直樹と立て続けに主力選手を投入した。関口は2列目の左サイドに入り、武藤が前線へ。一気に攻勢を強めたかったが、後半20分、競り合いで頭部を負傷した渡辺に代わってMF富田晋伍を投入。アクシデントで最後のカードを切ることになり、ボランチのMF角田誠が最終ラインに下がって対応した。

 10人の川崎Fを攻め立てる仙台は後半21分、左クロスから武藤がヘディングシュート。しかし、ここはGK西部洋平がビッグセーブを見せる。川崎Fもカウンターから積極的に4点目を狙い、試合は攻守が目まぐるしく変わる展開になった。それでも数的不利の川崎Fは仙台の反撃にも粘り強く対応。後半45分、武藤に1点を返されるが、そのまま3-1で逃げ切り、連敗中だったホームで3月10日のJ1開幕戦・新潟戦(1-0)以来となる勝利をおさめた。

(取材・文 西山紘平)

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