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監督解任2戦目で勝利、川崎F・田坂「歯車がかみ合ってきた」

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[4.18 ナビスコ杯第3節 川崎F3-1仙台 等々力]

 得意?のヘディングで値千金の先制点を奪った。川崎フロンターレは前半46分、PA内右サイドに抜け出したFW小林悠の右クロスがDFに当たって浮いたボールをFW矢島卓郎がバックヘッドでつなぎ、最後はMF田坂祐介が頭でねじ込んだ。

 14日のJ1G大阪戦(2-3)に続くヘディングでの公式戦2戦連発弾。「得意なプレーはヘディングと言ってもいいかもしれないですね」と冗談めかすほど、自身も驚く先制点だった。「ヤジさん(矢島)が競るとき、勝ってくれそうな気がした。ヤジさんも俺のことは見えてなかったと言っていたけど。テレパシーですね」と白い歯をこぼした。

「自分たちの姿勢を見せないといけない試合だと思っていた」。相馬直樹前監督が解任され、G大阪戦に続いて望月達也コーチが暫定で指揮を執った。「監督がいなくなって初めてのホームゲーム。道しるべというか、自分たちがこれからどう進んでいくかをサポーターに見せないといけないゲームだった」と強い決意で臨んでいた。

 G大阪戦は開始1分に田坂のゴールで先制。前半30分には2-0とリードを広げ、攻めるのか守るのか、チーム内の意思統一が中途半端になった。結局、2-3の逆転負け。しかし、この日は先制から2分後のロスタイム3分に小林が追加点を決め、後半9分にDF實藤友紀が2枚目の警告で退場したが、10人になって3分後の後半12分に小林が試合を決定づける3点目を奪った。

 田坂が「次の1点を狙うというのを一人減ってからも貫けたことがよかった」と言えば、GK西部洋平も「G大阪戦は得点のタイミングが早くて、そこがハッキリしなかったけど、今日はしゃべらなくても試合の中で意思統一できた」と力説する。G大阪戦の反省を生かし、川崎Fらしい攻撃サッカーでJ1首位を走る仙台を一蹴した。

 望月コーチはあくまで監督代行で、クラブは後任監督の人選に着手。アテネ五輪日本代表監督の山本昌邦氏に一本化したとの報道もあり、早ければ28日のJ1広島戦が新監督初陣となる可能性もある。

 それでも田坂が「中盤は(望月)達也さんから『自由に動いていい』と言われているので、やりやすさはある。ボールを握れる時間も増えているし、ボールを持てる分、前の選手も動き出すタイミングをつかめる。歯車がかみ合ってきた」と手応えを口にするように、チーム状況は確実に上向いている。新監督就任が、その追い風となれば、まだまだ巻き返しも可能だ。

 公式戦6試合勝利なし(2分4敗)という長かったトンネルを抜け、見えてきた光。田坂は「これまではやり切れていない感じがあった。今日の勝利で自信になったし、勢いにもなる。次につなげたい」と、21日のJ1札幌戦へ視線を移していた。

(取材・文 西山紘平)

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