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鳥栖U-15のエースFW田中禅は2試合連発! 「ヘディングを最大の武器に」と成長を誓う

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4人目のキッカーとしてPKを沈めた鳥栖U-15のFW田中禅(3年)

[12.28 高円宮杯全日本ユース(U-15)決勝 鳥栖U-15 2-2(PK6-5) FC東京U-15深川 味フィ西]

 夏に続いての決勝進出に導いたエースが、開始早々にスコアを動かした。鳥栖U-15FW田中禅(3年)は前半2分、MF西村洸大(3年)のスルーパスに猛スピードで抜け出し、右足を一閃。理想的なインパクトではなかったが、GKを襲ったボールは軌道が変わってゴールマウスに転がり込んだ。

 夏のクラブユース選手権大会でクラブ史上初の全国タイトルを獲得し、2冠目を懸けて挑んだ高円宮杯全日本ユース。FC東京U-15深川との決勝戦に臨んだ田中は「親も見に来ていたので、絶対に得点を取って優勝しようと思っていた」という強い意気込みで試合に入った。

 そんな想いは前半早々に結実する。「ファーストシュートだったので強く打とうと思ったんですけど、ちょっと足元に入ってダフってしまったので……」とミートは十分でなかったが、GKに触れられるもゴールラインを越えた。「『入れ!入れ!』と思っていたら入ったんで良かったです」。準決勝の後半終了間際に決めた決勝ゴールに続き、強豪相手の2試合連発。大事な試合でエースとしての存在感を見せつけた。

 その後は前半のうちに追い付かれ、延長戦で突き放されるという厳しい展開も、間接FKを起点に土壇場で同点。そうして迎えたPK戦、5人目まではお互いがノーミスで終える緊迫した戦況の中、不利だとされる後攻で決め続け、7人目のキックで勝利をつかんだ。

 準決勝後に「笑って終わりたい」と話していた田中は試合後、「ここで優勝してもプロになれなかったら意味がない」と気を引き締めた。「ユースに行っても成長したい」と意気込む長身FWの強化ポイントは「肉体を強くする」こと。「ヘディングを絶対に負けない最大の武器にして、もっと得点を決められる選手になりたい」とさらなるスキルアップを誓った。

(取材・文 竹内達也)
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