beacon

国立ファイナル戦った「アイドル」から大きな刺激…流経大柏の下部組織、クラブ・ドラゴンズ柏が“大一番”制して首位快走!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

クラブ・ドラゴンズ柏が首位を快走中

[4.19 U-15千葉1部第9節 クラブ・ドラゴンズ柏 2-0 ウイングスU-15 日体大柏G]

 高円宮杯 JFA U-15サッカーリーグ2025千葉1部は19日、各地で第9節を開催した。流通経済大柏高の下部組織であるクラブ・ドラゴンズ柏ウイングスU-15を2-0で破り、今季の無敗を継続して首位を快走している。

 今節を含めて前期は残り3試合。クラブ・ドラゴンズ柏の宮本毅監督は5ポイント差で迫ってくるウイングスU-15との対戦を「前期の中では大一番のゲーム」と位置付け、試合に向けてトレーニングを行ってきたという。

ウイングスU-15の先発

 迎えた一戦は序盤、ウイングスU-15が出足の早い動きでやや優勢な展開。開始5分には右サイドのスローインからMF佐藤鷹仁(3年)がゴールライン際まで侵入して折り返したボールをFW今井陽翔(3年)が合わせたが、GK伊藤千騎(3年)に阻まれた。

MF佐藤鷹仁(3年)がチャンスメイク

 ただ「80分の中で勝とうねという話をずっとしていた」と宮本監督。風向きも考慮しながら「とにかくゼロ(無失点)で前半を終わって」という意識のもとで戦ったチームは以降に大きなピンチは訪れず、前半37分には左サイドの攻撃から最後はDF杉本大歩(3年)がシュートを放ってゴールに迫った。もっとも全体的にシュートの場面は少なく、スコアレスで試合を折り返した。

 後半も両チームともに目立ったチャンスシーンは少ない中で、クラブ・ドラゴンズ柏は後半32分に決定機。中央のパス交換から最後は主将のMF奥村瑛斗(3年)がペナルティエリアの手前から右足を振り、GK山崎己太郎(3年)の好セーブに阻まれたものの右CKを獲得した。するとこのCKを奥村が蹴ったボールはファーポストに直接当たってから相手にも当たってそのままゴールイン。主将の右足から待望の先制点が生まれた。

 なおもクラブ・ドラゴンズ柏は後半終了間際の39分、奥村がゴール前に送ったボールをFW松本竹琉(3年)がGKよりも一歩早く触れて入れ替わり、ゴールに押し込んで決定的な2点目を奪った。試合はそのままタイムアップ。奥村は一進一退の攻防が続いた展開からの勝利に「後半はチームでセカンドボールの拾い合いが大事ってなって、そこをしっかり拾えた」と手応えを示した。

ゴール前で押し込んで追加点

 これでクラブ・ドラゴンズ柏は開幕から8勝1分で無敗を維持した。もっとも宮本監督は「特筆した選手がいるわけではない」と強調。現在は昨年末の関東トレセンU-14メンバーであるFW武田芽久(3年)が第五中足骨骨折で離脱するなど怪我人も出ているが、「みんなで手を繋げる、頑張れるというか。みんなでまとまってみんなでやろうという雰囲気が出ています」。高いチーム力が好調に繋がっているようだ。

 そうしたチームは大きな刺激を受けて今シーズンに突入していた。1月、国立競技場で“兄貴分”が戦う全国高校サッカー選手権決勝を観戦。流通経済大柏は10人目にまで及ぶPK戦の末に敗れたが、5万8347人の大観衆のもとで行われた激闘に「自分もあと1年後でも2年後でも3年後でも、あそこの舞台でできるようにこれからも頑張ろうと思いました」(奥村)など、それぞれが多くのことを感じ取った。

「ドラゴンズの一番の売りは間近で流経のお兄ちゃんたちを観られるというところなので、(受けた刺激は)それはもう凄いです。あれを観ていると激しさとか、あれだけ(激しく)いかないとダメなんだなと。お兄ちゃんたちが国立競技場の舞台に出て活躍しているのを観てやっぱり彼らも喜んでいるし、憧れている。もうアイドルですよね。間近にアイドルがいるというのはうちの売りだと思います」(宮本監督)

 その上で流経大柏のコーチも務める指揮官は「甘くはないし、やっぱり戦わないといけないし競争しないといけないというのは常にあるよと伝えています」と“流経イズム”を中学年代のメンバーにも注入する。加えて「やっぱりサッカーって楽しいものなので『まずは楽しめよ』と毎週、毎日言っています。その中で負けて楽しいわけはない。勝とうねと。じゃあ勝つために…」とも指導。選手はそうした環境に身を置き、士気高く日常を送っている。

 今後は全国大会出場に向けた一発勝負の戦いも始まっていき、1試合の重要性はさらに高まるところ。クラブ・ドラゴンズ柏は大舞台に立った偉大な先輩から、そして日常から感じる目指すべき姿から大きな刺激を受け、頂点に向かって歩みを進めていく。


(取材・文 加藤直岐)
加藤直岐
Text by 加藤直岐

「ゲキサカ」ショート動画

TOP