[東京国際ユースU-14]ブラジル名門・サンパウロが2連覇達成!! 宮城県トレセンは世界の壁に阻まれ3年連続準V
[5.6 東京国際ユースU-14決勝 サンパウロ 2-0 宮城県トレセン Jスタ]
「海外の強豪チームとの試合を通じた、ジュニアユース世代(14歳以下)の選手の競技力向上と相互理解、被災地との交流を目的」とする2025東京国際ユース(U-14)サッカー大会は6日に決勝を行い、サンパウロが2-0で宮城県トレセンを破って2連覇を果たした。これで通常大会はブラジル勢の4連覇となり、11大会連続で海外チームが頂点に輝いた。
決勝は2年連続でサンパウロと宮城県トレセンの顔合わせに。前回大会はサンパウロが1-1で突入したPK戦を制して優勝していた。宮城県トレセンは3年連続の決勝進出となり、悲願の初優勝へリベンジを目指した。
最初の決定機はサンパウロ。前半3分、MFジエゴのクロスをファーサイドからFWガブリエルが頭で合わせるも、枠の上に外れた。その後もサンパウロが押し込み続け、同16分にはFWルイスがペナルティエリア右からコントロールシュートを放ったが、ボールは左ポストに当たった。
一方の宮城県トレセンはなかなか敵陣まで入り込めない。そうした中で前半23分、MF村上元翔(塩釜FC)のスルーパスでMF寺崎陽澄(EL BRANCA SENDAI ARAHAMA)が左サイドを突破しにかかったが、飛び出してきたGKアビラにキャッチされてシュートには至らなかった。同24分には最終ラインのミスからピンチを迎えるも、いち早く危機を察知したMF上野玲音(仙台Jrユース)がスーパーカバーで死守。前半はシュートゼロに終わったものの、無失点で切り抜けた。
それでも後半7分、サンパウロが試合を動かした。DFルカスのスルーパスにガブリエルが反応して一気にゴール前へ。宮城県トレセンはDF黒澤成(フォーリクラッセ仙台)が懸命に戻って一度はクリアするも、当たり損ねたボールをガブリエルに押し込まれ、先制点を許した。黒澤は「自分が上手くクリアできなかったのもあるんですけど、みんなでちゃんと声をかけながらやれればよかった」と振り返り、最終ラインの背後を取られたことも含めて失点を悔やんだ。
宮城県トレセンはビハインドの状況で後半12分に最大の決定機。MF氏家累(仙台Jrユース)がセンターサークル内から蹴ったFKを、ゴール前に走り込んだ寺崎がダイビングヘッドで合わせたが、ボールは枠の上に外れた。すると同22分、MFミゲルのシュートをGK佐野出帆(仙台Jrユース)が弾くも、ポストに当たったこぼれ球をFWアレクサンドロに押し込まれ、痛恨の2失点目を喫した。
サンパウロは試合終了間際にルカスが遅延行為で2枚目の警告を受けて退場になるも、試合を通じてゲームを支配。準決勝に続くガブリエルとアレクサンドロの得点で2-0の勝利を収め、決勝を制した。
先制点のガブリエルは「色々な文化に触れていろいろな選手と触れ合って、いろいろと勉強になった」と今大会を総括。ブラジル代表としてワールドカップに出場することが目標だと話し、「その前にサンパウロでプロになる。そこまで長いのでここから全力で頑張っていきたい」と意気込んだ。


敗れた宮城県トレセンの黒澤はクリーンシートで終えた前半を「みんなで声を出しながら耐えられてよかった」とするも、準優勝の結果に唇を噛む。「予選リーグは上手くビルドアップとかをしながら自分のプレーを出せましたけど、決勝は身体能力の高い相手に自分のプレーを出せなかったから悔しいです」と話し、世界との差を感じた様子だ。
黒澤は所属する東北の強豪・FCフォーリクラッセ仙台で「まずはチームに戻って上の学年に関わって試合に出られるように」と決意。「プロサッカー選手になって海外のチームとやったときに倒せるようにしたい」と目標を掲げ、この経験を自身の成長に繋げていく。




(取材・文 加藤直岐)
「海外の強豪チームとの試合を通じた、ジュニアユース世代(14歳以下)の選手の競技力向上と相互理解、被災地との交流を目的」とする2025東京国際ユース(U-14)サッカー大会は6日に決勝を行い、サンパウロが2-0で宮城県トレセンを破って2連覇を果たした。これで通常大会はブラジル勢の4連覇となり、11大会連続で海外チームが頂点に輝いた。
決勝は2年連続でサンパウロと宮城県トレセンの顔合わせに。前回大会はサンパウロが1-1で突入したPK戦を制して優勝していた。宮城県トレセンは3年連続の決勝進出となり、悲願の初優勝へリベンジを目指した。
最初の決定機はサンパウロ。前半3分、MFジエゴのクロスをファーサイドからFWガブリエルが頭で合わせるも、枠の上に外れた。その後もサンパウロが押し込み続け、同16分にはFWルイスがペナルティエリア右からコントロールシュートを放ったが、ボールは左ポストに当たった。
一方の宮城県トレセンはなかなか敵陣まで入り込めない。そうした中で前半23分、MF村上元翔(塩釜FC)のスルーパスでMF寺崎陽澄(EL BRANCA SENDAI ARAHAMA)が左サイドを突破しにかかったが、飛び出してきたGKアビラにキャッチされてシュートには至らなかった。同24分には最終ラインのミスからピンチを迎えるも、いち早く危機を察知したMF上野玲音(仙台Jrユース)がスーパーカバーで死守。前半はシュートゼロに終わったものの、無失点で切り抜けた。
それでも後半7分、サンパウロが試合を動かした。DFルカスのスルーパスにガブリエルが反応して一気にゴール前へ。宮城県トレセンはDF黒澤成(フォーリクラッセ仙台)が懸命に戻って一度はクリアするも、当たり損ねたボールをガブリエルに押し込まれ、先制点を許した。黒澤は「自分が上手くクリアできなかったのもあるんですけど、みんなでちゃんと声をかけながらやれればよかった」と振り返り、最終ラインの背後を取られたことも含めて失点を悔やんだ。
宮城県トレセンはビハインドの状況で後半12分に最大の決定機。MF氏家累(仙台Jrユース)がセンターサークル内から蹴ったFKを、ゴール前に走り込んだ寺崎がダイビングヘッドで合わせたが、ボールは枠の上に外れた。すると同22分、MFミゲルのシュートをGK佐野出帆(仙台Jrユース)が弾くも、ポストに当たったこぼれ球をFWアレクサンドロに押し込まれ、痛恨の2失点目を喫した。
サンパウロは試合終了間際にルカスが遅延行為で2枚目の警告を受けて退場になるも、試合を通じてゲームを支配。準決勝に続くガブリエルとアレクサンドロの得点で2-0の勝利を収め、決勝を制した。
先制点のガブリエルは「色々な文化に触れていろいろな選手と触れ合って、いろいろと勉強になった」と今大会を総括。ブラジル代表としてワールドカップに出場することが目標だと話し、「その前にサンパウロでプロになる。そこまで長いのでここから全力で頑張っていきたい」と意気込んだ。


優勝を導いたFWガブリエル
敗れた宮城県トレセンの黒澤はクリーンシートで終えた前半を「みんなで声を出しながら耐えられてよかった」とするも、準優勝の結果に唇を噛む。「予選リーグは上手くビルドアップとかをしながら自分のプレーを出せましたけど、決勝は身体能力の高い相手に自分のプレーを出せなかったから悔しいです」と話し、世界との差を感じた様子だ。
黒澤は所属する東北の強豪・FCフォーリクラッセ仙台で「まずはチームに戻って上の学年に関わって試合に出られるように」と決意。「プロサッカー選手になって海外のチームとやったときに倒せるようにしたい」と目標を掲げ、この経験を自身の成長に繋げていく。


DF黒澤成(フォーリクラッセ仙台)は悔しさを糧に成長へ


(取材・文 加藤直岐)