J下部組織を破った両チームの対戦…関東CY初出場のクラブ・アストーレが武南Jrユースに勝利して全国王手!!
[6.14 関東CY3回戦 アストーレ 1-0 武南Jrユース 前橋フットボールセンターC]
関東クラブユースサッカー選⼿権(U-15)⼤会は14日、各地で3回戦を開始した。クラブ・アストーレ(千葉県2部)は武南ジュニアユースFC(埼玉県1部)に1-0で勝利し、関東大会初出場にして全国切符に王手をかけた。
2回戦でJクラブアカデミーを破った両チーム。アストーレはFC東京U-15深川とのPK戦を制し、武南Jrユースは鹿島アントラーズノルテジュニアユースに1-0で勝利しての勝ち上がりとなった。
最初のチャンスはアストーレ。前半5分、MF小原輝大(3年)が最終ラインの背後に落ちるボールを収めて決定機を迎えたが、右足のチップシュートはGK若松洸貴(3年)に阻まれた。それでもアストーレは同8分、右サイドのゴールまで距離のあるところでFKを獲得する。これをDF鈴木蒼和(3年)が直接狙うと、ボールは左ポストを叩いてゴールに吸い込まれた。


スーパーゴールで先制したアストーレの原大史朗監督は「もちろんむちゃくちゃ嬉しかった」と振り返りつつ、「(ゴールの喜びよりも)時間的にこれで集中が切れてほしくないという方が先にきていた」。中盤の球際では武南Jrユースが優位に立っており、早い時間帯でリードを奪ったことには心配も感じていたという。
実際、アストーレはなかなか敵陣でボールを動かす展開には持っていけない時間帯が続いた。それでも「だらっとならずによくやってくれた」と原監督が話すように、最終ラインの集中ぶりが際立って相手にも決定機を作らせない。
武南Jrユースは前半25分、DF木口賢人(3年)がバウンドするボールをペナルティエリア手前から右足で振り抜いたが枠の外。同アディショナルタイムにはアストーレがFW樋口春琉斗(3年)のパスから小原が右サイドの深くを取り、折り返したボールにFW草野陽(3年)が反応したもののミートできなかった。ラストプレーでは武南Jrユースの右CKをDF牧野佑翔(3年)が頭で合わせるも枠は捉えられず、アストーレの1点リードで前半が終了した。
原監督は「強度と高さとスピードがある」武南Jrユースの攻撃に対応し続けるべく、ハーフタイムに最終ラインを修正。中盤のセカンドボール争いで劣勢のなか、敵陣から自陣へ戻ってくる選手の位置やタイミングなども調整して選手を後半のピッチに送り出した。
追いかける武南Jrユースは後半6分、MF川畑謙介(3年)のパスでMF五十嵐晴(3年)が抜け出して決定機になったが、間合いを詰めてきたGK橋口泰陽(3年)に対応されて同点弾とはならず。その後も五十嵐が左サイドからクロスを送るなど攻撃でポイントになったが、隙を見せないアストーレ守備陣に阻まれた。


アストーレも多くのチャンスを作るまでには至らなかったが、終盤にはDF濱田丈太郎(3年)が個人技で突破してミドルシュートを放ち、草野もカットインから追加点を狙うなど見せ場も作ってタイムアップ。1-0で逃げ切って4回戦進出を果たした。
敗れた武南Jrユースの柏木光監督は特長の「サイドからの攻撃でえぐって中で合わせる」攻撃ができなかったことを示し、中盤の争いを制して我慢しながらゴールを狙う展開に持ち込めず「本来やれるべきところができなかった」と悔やんだ。
その上で鹿島ノルテJrユースに勝利するなど、関東の強豪と戦った大きな経験を今後に活かしたいところ。柏木監督は「貴重な経験をチームに還元してほしいですし、個々としてももっと成長していってほしい」と選手に期待を込め、リーグ戦などの今季の残る大会に目を向けた。
一方の原監督は「そこがキーになると思っていた」という最終ラインの集中ぶりを称えるとともに、初の関東大会出場の中で「ここまで来たこと自体が僕らは初めてで、戦い方も選手たちは未知のところだったので。でもその割にはしっかりやってくれたんじゃないかなと思います」と頷いた。
もっとも練習試合で高校生チームとの対戦を経験し、遠征ではJクラブアカデミーとも戦っていたといい「なんとなくひとりひとりが自信をつけているのかなと」と指揮官。最近は「どことやっても平常心」という姿勢を選手から感じているようで、日頃の練習でもコーチ陣が成長するヒントを与えつつ、自立して判断することを促しているという。そうした心構えが2回戦のFC東京U-15深川撃破などに繋がっているようだ。
アストーレは中0日で迎える4回戦・東京ヴェルディジュニアユース戦に勝利すると、全国大会への出場が決定。敗れた場合は負け残りトーナメントの代表決定戦に進み、最後の1チームにならなければ全国大会の出場権を獲得できる。
原監督は「簡単じゃないことは重々わかっているので。選手たちが気を緩めることはほとんどないと思いますけど、宿に帰ってもう一回締め直して」と襟を正すとともに、「せっかくこういうところでできているので、闘うんですけどやっぱり楽しんでほしいという気持ちが一番」という考えで選手を送り出す構え。気負わず平常心で新たな景色を掴みにいく。
(取材・文 加藤直岐)
関東クラブユースサッカー選⼿権(U-15)⼤会は14日、各地で3回戦を開始した。クラブ・アストーレ(千葉県2部)は武南ジュニアユースFC(埼玉県1部)に1-0で勝利し、関東大会初出場にして全国切符に王手をかけた。
2回戦でJクラブアカデミーを破った両チーム。アストーレはFC東京U-15深川とのPK戦を制し、武南Jrユースは鹿島アントラーズノルテジュニアユースに1-0で勝利しての勝ち上がりとなった。
最初のチャンスはアストーレ。前半5分、MF小原輝大(3年)が最終ラインの背後に落ちるボールを収めて決定機を迎えたが、右足のチップシュートはGK若松洸貴(3年)に阻まれた。それでもアストーレは同8分、右サイドのゴールまで距離のあるところでFKを獲得する。これをDF鈴木蒼和(3年)が直接狙うと、ボールは左ポストを叩いてゴールに吸い込まれた。


鮮やかなFKが決まった
スーパーゴールで先制したアストーレの原大史朗監督は「もちろんむちゃくちゃ嬉しかった」と振り返りつつ、「(ゴールの喜びよりも)時間的にこれで集中が切れてほしくないという方が先にきていた」。中盤の球際では武南Jrユースが優位に立っており、早い時間帯でリードを奪ったことには心配も感じていたという。
実際、アストーレはなかなか敵陣でボールを動かす展開には持っていけない時間帯が続いた。それでも「だらっとならずによくやってくれた」と原監督が話すように、最終ラインの集中ぶりが際立って相手にも決定機を作らせない。
武南Jrユースは前半25分、DF木口賢人(3年)がバウンドするボールをペナルティエリア手前から右足で振り抜いたが枠の外。同アディショナルタイムにはアストーレがFW樋口春琉斗(3年)のパスから小原が右サイドの深くを取り、折り返したボールにFW草野陽(3年)が反応したもののミートできなかった。ラストプレーでは武南Jrユースの右CKをDF牧野佑翔(3年)が頭で合わせるも枠は捉えられず、アストーレの1点リードで前半が終了した。
原監督は「強度と高さとスピードがある」武南Jrユースの攻撃に対応し続けるべく、ハーフタイムに最終ラインを修正。中盤のセカンドボール争いで劣勢のなか、敵陣から自陣へ戻ってくる選手の位置やタイミングなども調整して選手を後半のピッチに送り出した。
追いかける武南Jrユースは後半6分、MF川畑謙介(3年)のパスでMF五十嵐晴(3年)が抜け出して決定機になったが、間合いを詰めてきたGK橋口泰陽(3年)に対応されて同点弾とはならず。その後も五十嵐が左サイドからクロスを送るなど攻撃でポイントになったが、隙を見せないアストーレ守備陣に阻まれた。


武南JrユースはMF五十嵐晴(3年)が左サイドからチャンスメイクを狙った
アストーレも多くのチャンスを作るまでには至らなかったが、終盤にはDF濱田丈太郎(3年)が個人技で突破してミドルシュートを放ち、草野もカットインから追加点を狙うなど見せ場も作ってタイムアップ。1-0で逃げ切って4回戦進出を果たした。
敗れた武南Jrユースの柏木光監督は特長の「サイドからの攻撃でえぐって中で合わせる」攻撃ができなかったことを示し、中盤の争いを制して我慢しながらゴールを狙う展開に持ち込めず「本来やれるべきところができなかった」と悔やんだ。
その上で鹿島ノルテJrユースに勝利するなど、関東の強豪と戦った大きな経験を今後に活かしたいところ。柏木監督は「貴重な経験をチームに還元してほしいですし、個々としてももっと成長していってほしい」と選手に期待を込め、リーグ戦などの今季の残る大会に目を向けた。
一方の原監督は「そこがキーになると思っていた」という最終ラインの集中ぶりを称えるとともに、初の関東大会出場の中で「ここまで来たこと自体が僕らは初めてで、戦い方も選手たちは未知のところだったので。でもその割にはしっかりやってくれたんじゃないかなと思います」と頷いた。
もっとも練習試合で高校生チームとの対戦を経験し、遠征ではJクラブアカデミーとも戦っていたといい「なんとなくひとりひとりが自信をつけているのかなと」と指揮官。最近は「どことやっても平常心」という姿勢を選手から感じているようで、日頃の練習でもコーチ陣が成長するヒントを与えつつ、自立して判断することを促しているという。そうした心構えが2回戦のFC東京U-15深川撃破などに繋がっているようだ。
アストーレは中0日で迎える4回戦・東京ヴェルディジュニアユース戦に勝利すると、全国大会への出場が決定。敗れた場合は負け残りトーナメントの代表決定戦に進み、最後の1チームにならなければ全国大会の出場権を獲得できる。
原監督は「簡単じゃないことは重々わかっているので。選手たちが気を緩めることはほとんどないと思いますけど、宿に帰ってもう一回締め直して」と襟を正すとともに、「せっかくこういうところでできているので、闘うんですけどやっぱり楽しんでほしいという気持ちが一番」という考えで選手を送り出す構え。気負わず平常心で新たな景色を掴みにいく。
(取材・文 加藤直岐)