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今季無敗の浦和Jrユースが3年ぶりクラセン出場権獲得!! 前橋FCに焦れず先制、ポイントの追加点も奪って関東8強入り

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浦和Jrユースが全国切符を獲得

[6.15 関東CY4回戦 浦和Jrユース 2-0 前橋FC 前橋フットボールセンターD]

 浦和レッズジュニアユース(関東1部)は15日、関東クラブユースサッカー選⼿権(U-15)⼤会の4回戦で前橋FC(関東2部B)に2-0で勝利した。2022年以来となる日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会の出場権を獲得した。

 最初に決定機を作ったのは前橋FCだった。前半4分、DF新藤礼稀(2年)が左サイドを突破してペナルティエリアに入るところからクロス。このボールがファーサイドでフリーのMF名淵琥暖(3年)に繋がったが、左足のダイレクトシュートは枠の上に飛んでいった。

 以降は浦和Jrユースがボールを持ち、両サイドに揺さぶりながら得点を狙っていった。前半13分、MF佐々木煌翔(3年)がMF山崎歩(3年)のクロスに合わせたヘディングシュートは枠の上。同29分には山崎がFW菊池大河(3年)とのワンツーからミドルシュートを放つも、枠の左に外れた。

 押し込む浦和は前半31分、MF児玉樹吹(3年)が左からカットインして右足でパンチのあるシュートを放つ。ボールはクロスバーに当たるとゴールライン上に落ちたものの、ゴールの外側へバウンドして得点ならず。そのままスコアレスで前半を終了した。

児玉のシュートはクロスバー

 浦和Jrユースは敵陣で試合を進めつつもノーゴールの展開となったが、「ミーティングから『攻守に焦れたら終わりだぞ』と。暑さもあるし自分たちから崩れるのが一番ダメという話をして」と萩村滋則監督。実際、時間が経過していってもチームからは焦りが見られなかった。

 ところが後半7分、MF大胡虹太(3年)のスルーパスで前橋FCがビッグチャンスを迎え、FW田中陽(3年)がGK尾崎孝太郎(3年)と1対1になりかけた。それでも浦和JrユースのDF二唐琉真(3年)が決死のスライディングで対応し、ペナルティエリア内で見事な対応。失点を許さなかった。

 そうして迎えた後半15分、浦和Jrユースが右CKを獲得。MF宇佐美飛斗(2年)がファーサイドへ蹴り込むと、DF森井琉生(3年)のヘディングシュートで待望の先制点が生まれた。なおも浦和Jrユースは同26分、山崎が右サイドから送ったボールを菊池がワンタッチでゴールに流し込んで追加点。この試合を終えて修学旅行に合流するというアタッカーが大仕事をやってのけた。

先制ゴールでパフォーマンス

菊池が追加点

 終盤は前橋FCが意地を見せるべくゴールを狙っていったが、浦和JrユースもGK尾崎を中心に集中を切らさずクリーンシートを達成。浦和Jrユースが決戦を2-0で制した。敗れた前橋FCにも全国への道は残されており、残り7枠の出場権を懸けて代表決定戦に進む。

GK尾崎がロングボールに対応

 萩村監督は「去年も一昨年も(クラセンに)出られていないのでホッとしています」と安堵の表情を浮かべ、「選手がしっかりと試合をコントロールして焦れずにやってくれたおかげ」と労いの言葉を口にした。キャプテンのMF印出晴(3年)が右膝蓋骨骨折で長期離脱している中、「ミスもあるし合わない時もあるかもしれないけれどポジティブにみんなで考えてやっていこう」と一体感を持って待望の夏の全国切符を掴んだ。

 浦和Jrユースは今季の無敗が続いているものの、リーグ戦は5勝8分と引き分けが目立つ状況。負け試合を引き分けに持ち込んだ試合もありつつ、勝利を取りこぼした試合もあったという。そうした中で指揮官は「ゴールに向かうときと向かわないパスのときがあるので、そこは今大会(ゴールを)意識させてきた」といい、「やっぱり追加点のところですね。今日2点目を獲れたのはもしかしたら成長の証かもしれない」。追加点をアシストした山崎も「(無敗だけど)勝ててはいなかったので、しっかり勝ち切ることができてよかった」と話し、この一戦、この大会を勝ち切れるチームになるきっかけにしていきたいところだ。

 昨冬の高円宮杯を制した浦和Jrユースは冬夏連覇に挑戦できる立場でもあるが、萩村監督は連覇に対して「メンバーも違いますしスタッフも変わっているので、僕は全然意識していない」との考え。選手たちも連覇を目指すというよりも「1個上の先輩を超したい」(二唐)との目線でこの世代での日本一と3冠を狙っていく構えだ。

 そうしたチームを率いる萩村監督は2023年に浦和ユースで監督を務め、昨年はJrユースのコーチを担当していたが、Jrユースの監督に就任するのは15年の東京ヴェルディジュニアユース以来。10年ぶりにこの年代のチームを率いる中で、選手と向き合う大切さを再認識しているという。

「自分に矢印を向けられない選手、まだそこまで考えられない選手、しっかりと自分に矢印を向けている選手とバラバラな状況下で、やっぱりひとりひとりと向き合ってあげないといけないなというのは改めて思っています。出ている選手はほっといても元気にああやってバカやっているので(笑)。リハビリしている選手とか復帰明けの選手、サブの選手と今日も喋ったんですけど、そういう出られなかった選手が次どういうふうに(試合へ臨んでいくか)という部分ではできていなかった部分もあるので、そういうところも踏まえて自分も成長しないといけないなと思っています」

 そう述べた指揮官は選手たちに開幕期からの成長を感じつつ、「個のところは1部を戦っていると足りないなとすごく感じる」と話し、全国大会やリーグ終盤戦に向けて「個が大きくなればチームも大きくなる」と各選手のスケールアップを目指していく考え。「彼らが高い目標を掲げているので、そこにちょっとでも近づけるようにサポートしていければ」と意気込み、昨年を超えるチームを目指していく。

(取材・文 加藤直岐)
加藤直岐
Text by 加藤直岐

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