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全国懸けた一戦で緊張表れた前半も…後半から本来の攻撃示したグランデFC、湘南U-15 EASTを破ってクラセンへ!!

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グランデFCが全国へ

[6.21 関東CY代表決定戦 グランデFC 1-0 湘南U-15 EAST 前橋フットボールセンターB]

 グランデFC(関東2部A)は21日、関東クラブユースサッカー選⼿権(U-15)⼤会代表決定戦で湘南ベルマーレU-15 EAST(関東2部B)に1-0で勝利して2年連続となる日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会出場を決めた。

 同じリーグを戦う両チームは5月3日に対戦したばかりで、前回対戦は湘南U-15 EASTが2-0で勝利していた。グランデFCの右サイドバックを務めるDF程塚桜太(3年)は「1か月前にサイドからのクロスでやられちゃって、距離感が悪くて点を取られちゃった」と反省点を挙げ、この試合では距離を縮めることを意識。坂口照幸監督は「やることをしっかりやって、やってきたことを全て出そうと」選手を送り出してリベンジを目指した。

 試合はゴールの故障でキックオフが遅れるトラブルもありながらスタート。全体的にはグランデFCが中盤の球際やセカンドボール争いを制す展開となったが、全国がかかる一戦とあって「選手たちはすごい緊張してボールも落ち着かないし、多分自分たちが何をしていいのかが分からない前半だった」と坂口監督。固さがプレーに出てしまい、FW井芹響美(3年)を起点に攻める構えを示したものの大きなチャンスを作るまでには至らなかった。

 対する湘南U-15 EASTも自陣で相手の攻撃に対応する時間が続き、なかなかシュートを打つ場面は作れない。前半7分にはDF半田凪月(3年)が蹴ったCKをDF奥川勝斗(3年)がバックヒールで狙ったが、GK郭ミンソ(3年)の正面に飛んだ。DF川畠想世(3年)は右サイドの縦突破からクロスを上げる場面も作るも、ゴールを脅かすまでには至らず0-0で前半を終了した。

 グランデFCは攻めあぐねる前半となったが、後半の立ち上がりに一瞬の隙をついてみせた。4分、井芹が後方から「左を切れ!」の声を受けながら最前線で相手DFにプレッシャーをかけると、胸で横パスをカット。一気にGK長嶋結太(3年)と1対1になって冷静にかわし、ゴールライン際で切り返した際に戻ってきた奥川に倒されてPKを獲得した。

 このチャンスで程塚が確実にゴールネットを揺らし、グランデFCが先制。すると、指揮官がこの得点からチームに落ち着きが生まれたことを示すように、前線で流動的な動きが見られるようになった。後半21分には左サイドでDF二宮力樹(3年)、MF塩崎猛琉(3年)、MF林勇瑠(3年)の3人で細かいパスワークを披露すると、二宮が左サイドからクロスを上げると見せかけたフェイントで相手を振り切ってカットイン。右足で振り抜いたボールはわずかに枠から逸れていったが、ゴールに迫った。

 グランデFCはなおも後半28分、FW川田空丸(3年)が1人をかわして強烈なミドルシュートを放ち、GKがセーブしたこぼれ球に井芹が反応。2本連続でシュートを打ったが、ここはDF石田蓮太郎(3年)とGK長嶋のスーパーブロックに阻まれた。直後には味方の落としを受けたMF萩谷勇悟(3年)が浮き球を右足ダイレクトで合わせたが、左ポストに嫌われた。

 追いかける湘南U-15 EASTは後半アディショナルタイム、相手MF塩崎に折り返しをフリーで合わせられたが、奥川がゴール手前でクリアするビッグプレーで1点差を維持。攻撃陣はMF渡邉颯馬(3年)が果敢に仕掛け、FW劉奕凱(3年)がペナルティエリア内からシュートを放つなどして同点を狙っていった。ただグランデFCがDF藤田勇雅(3年)を中心に1点を守り抜いてタイムアップ。1-0で逃げ切って全国切符を獲得した。

 坂口監督は「前半は緊張で全く動かず。でもそれも経験なので。選手にとっては高校に行く前に良い経験かなと思いました」と総括。「ポジションや立ち位置にこだわらず、つねにボールの状況や相手の状況を見ながら選手たちが自分で考えてポジションを取る」攻撃の形が後半から発揮できたことを示しつつ、「前半から出ないと、全国に行ったらやっぱりきついのかなというところです」とも受け止めた。

 その上で指揮官は選手が主体的に取り組んでいくことを重要視するとともに、「全国大会までに選手たちがするべきことや判断をそれぞれできるようになるといいなと思っています」と期待を口にする。昨年度のクラセンU-15は1分2敗でのグループリーグ敗退。選手の思考力を養いながら1試合ずつ大事に戦い、先輩の成績を超える結果を目指していく。

(取材・文 加藤直岐)
加藤直岐
Text by 加藤直岐

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