beacon

U-15 Jリーグ選抜の主将を務めて2戦連発のFW礒部怜夢(鹿島Jrユース)「先頭に立って引っ張っていくところで成長した」

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

FW礒部怜夢(鹿島Jrユース/3年)

[7.26 アカデミーマッチ第2戦 U-15 J選抜 1-1(PK3-1) リバプールU15 味フィ西]

 注目が集まる状況で迎えた第2戦、FW礒部怜夢(鹿島Jrユース/3年)が1点ビハインドのチームを救う2試合連続ゴールを奪って再び観客を沸かせた。逆転ゴールを決められなかったことには悔しさを示しつつ、キャプテンも務めたU-15 Jリーグ選抜活動を「ピッチ内外で自分が先頭に立って引っ張っていくところで成長した。良い経験になったなと思う」とすっきりとした表情で総括した。

 礒部は昨年にU-15 Jリーグ選抜や世代別の日本代表に飛び級で招集され、今年は鹿島アントラーズユースでプレミアリーグEASTデビューを飾って初戦で1得点。世代屈指のストライカーは「Jリーグインターナショナルシリーズ2026 アカデミーマッチ」初戦でも芸術的なトラップから決勝点を奪い、Jリーグ公式Xのゴール動画の投稿が1300リポストを超えるなど大きな反響を集めた。

 そうして迎えた第2戦は後半から出場。1点ビハインドで迎えた後半27分、FW大井然(東京V Jrユース/3年)が左サイドをえぐって折り返したボールを左足でトラップすると、ゴールを背にした状態から「ちょっと後ろ向きだったけれど上手くファーストタッチを良いところに置いた。もう振ってやろうという気持ちで振った」。反転しながら右足で流し込むファインゴールで試合を振り出しに戻した。

 2戦合計で5000人以上が足を運んだ晴れ舞台での連続ゴール。礒部は鹿島アントラーズジュニア時代からの気持ちの変化を要因に挙げながら、結果を残せたことに笑顔を見せた。

「自分は1年生のときとか小学生の頃は全然決定力がなかった。中学に上がってからより一層『自分がチームを勝たせる』という思いが強くなっていって、自主練などでしっかり自分と向き合ってシュート(練習)だったりに取り組めた。こういった舞台でゴールを決められたというのは嬉しいです」

 その一方、自身が1人目のキッカーを務めたPK戦を制しての勝利には「悔しさがいっぱいあった」と率直な思いを告白した。

 同点弾後の後半29分、ドリブルで3人を振りきってGKと1対1になりかけたシーンは後方からユニフォームを引っ張られたことでシュートを打てず、PKかつ相手が一発退場になりうる相手のプレーがノーファウルと判定される不運に遭った。同アディショナルタイムにはスルーパスに抜け出す決定機を迎えるも相手の好守に阻まれて逆転ならず。「チャンスが2、3回あって決めきれなかったのがまだまだ自分の力不足だなと感じた」と自らにベクトルを向けて反省を口にし、1ゴールに満足した様子は見せなかった。

 結果を残せた喜びとともにさらなる向上心を抱いた今回の活動。礒部にとってはエースとしての役割だけでなく、キャプテンの大役も担う5日間(キャプテン就任は2日目に決定)だった。鹿島Jrユースでは副将を務めつつ、「キャプテンだろうがじゃなかろうが関係ないと思っていて、一人一人がリーダーシップ持ってやっていかないといけないなと思っている」と責任感を持って日々を過ごしているといい、そうした日常の意識が今回の主将を務める際に生きた様子。充実した表情で5日間を振り返った。

「周りをまとめたり引っ張ったりと、自分が先頭に立って何事もやっていかないといけない。ピッチ外のところでも人として成長できた。ピッチ内では自分が点を決めて勝たせたり、背中で見せたり、チームを鼓舞したり、苦しい状況でも自分が声をかけたりと周りをつねに見て覚悟を持ってやれたと思います」

 初戦では雷雨のため1時間の中断が入る難しい状況を経験したが、主将としてそうした状況に対応できるのは貴重な機会。「『俺らはやるだけだ』みたいに前向きな声をみんなに掛けて集中して勝利に繋げられた」という成功体験を積むことができた。

 2戦目のPK戦では各キッカーのキック後に真っ先に向かっていくリーダーぶりを見せ、チームメイトも礒部に追随。キックを失敗した選手も全員で笑顔で出迎えて励ますなど、急増チームとは思えない一体感を礒部が作り上げていた。

「やっぱりチームなので一つにならないと勝てないと思う。苦しい状況で追いつけてチームの気持ち的にも『やるしかない。負けられない』という思いがあった。自分が周りに声をかけて鼓舞できてよかったです」

 そうしたリーダーシップに加えて、鹿島の育成組織に所属している選手らしいシーンもあった。初戦の後半に訪れたPKのピンチをGK西郷凌央(大宮U15/2年)がセーブ。こぼれ球をクリアしたのが礒部であり、PKセーブの西郷のところで生まれた歓喜の輪に向かって相手のクイックリスタートに警戒するように声をかけたのも礒部だった。

「隙を見せたらやられるので。止めて満足してこぼれ球にいかなかったら決められる。アラートに最後の1秒までちゃんと守りきったり決め切ったりとやりきることは鹿島で培った。自分に染みついていますね」

 普段は寮生活をしているといい、ユース組と暮らすことで受ける刺激も大きいようだ。特にダブルキャプテンのMF平島大悟とMF大貫琉偉が謙虚な姿勢を貫いていることに感銘を受けており、「自分もそうならなければいけないなと本当に思っている。私生活でも周りから刺激をもらっていて、(慢心しないことを)大事にしている」。リバプールU15から2得点を奪ったことに対しても浮つくことなく、実直に取り組み続けていく構えだ。

「ビッグクラブとやれたことは自分の中でプラスだし、(相手は)フィジカルやスピードを含めて自分より上。そこを上回っていかないと世界にはいけないなと思った。決定力、技術の面、運動量だったりとまだまだ足りないところだらけなので、自分と向き合ってしっかり成長していきたい。腐らず現状に満足しないでどんどんみんなを越していって、最終的にプロになってみんなに憧れられるような存在になりたいです」

(取材・文 加藤直岐)

●2026-27シーズンJリーグ特集
▶お笑いコンビ「ヤーレンズ」がサッカーをしゃべり倒すポッドキャスト「ボケサカ」は毎週金曜配信
加藤直岐
Text by 加藤直岐

「ゲキサカ」ショート動画

TOP