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[国体少年男子]京都府が大勝締め、京都FW駒井ら擁した08年に並ぶ3位に輝く

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[10.3 国体少年男子3位決定戦 京都府8-1福島県 朝日]

 第68回国民体育大会「スポーツ祭東京2013」サッカー競技少年男子は3日、朝日サッカー場で3位決定戦を行い、京都府と福島県が対戦した。試合は序盤から得点を重ねた京都府が8-1で制し、08年の大分国体以来の3位の座に輝いた。

 京都府には越えたい記録があった。6年前、現在京都サンガF.C.で活躍するFW駒井善成や現在愛媛FCに在籍するMF伊藤優汰らを擁した08年の大分国体で3位になったチームを越える。これを目標に3月に立ち上がったチームは順調に準決勝まで勝ち上がった。

 しかし2日に行われた準決勝では東京都に1-2で惜しくも敗戦。試合後は相当落ち込んだそうだが、宿舎に戻った際には誰からともなく切り替えを促す声が挙がった。「最後は笑って帰ろう」。キャプテンMF沼大希(1年=京都U-18)はそう声をかけて試合に臨んだ。

 試合は思わぬ点差が付いた。京都府は前半11分、MF山本蓮(1年=久御山高)のスルーパスで抜け出した沼が左隅に流し込み先制。同12分には裏を取ったFW松下英右(1年=京都U-18)が右足で中央に蹴り込み、リードを広げた。

 止まらない京都は前半26分、FW門司康成(1年=京都U-18)とのワンツーで抜け出した松下が右足で蹴り込み3点目。さらに直後の27分にはまたも裏に抜け出した門司がゴールネットを揺らし、前半だけで4点のリードを奪うことに成功した。

 後半に入ると、開始早々にミスからFW柳原隆二(1年=尚志高)にゴールを許してしまった京都だが、後半5分、門司からのパスを受けた沼がゴールネットを揺らし、再びゴールラッシュを開始。同11分には沼が「狙っていた」というハットトリックを達成。さらに同じく「狙っていた」という門司が、同13分、23分にゴールし、ハットトリックを達成した。

「きょうは全員使いたいなと思っていた」と米澤一成監督(京都橘高)が話したとおり、初出場となったGK外山佳人(1年=京都U-18)も含めた選手全員をピッチに送り込み、京都は理想的な大勝劇を飾った。

「昨日にもう少し取ってくれてれば」と苦笑いを浮かべた指揮官だが、「昨日負けてしまった中でうまく切り替えられたかなと思う。1回戦もこの会場だった。本当は隣(決勝が行われた味の素スタジアム)でやりたかったので、戻ってきてしまったのですが、初戦が悪かった分、変わった姿を見せて帰ろうと話していました。3位で変えることが出来てよかった」と選手たちの成長ぶりに目を細めていた。

 “隣の会場”では東京都が大阪府を下し、地元Vを飾った。9月29日に開幕し、5日間すべてで試合を行った京都府は、ここまで4試合で3試合が延長戦と、さらに過酷な日程を過ごしてきた。門司は「正直、疲れは超溜まってました」と素直な気持ちを吐露。だが「最後なのでやってくれると思っていた」と米澤監督の予言通り、最高のフィニッシュを飾った。

 今国体は2020年の東京五輪開催が決まった直後の大会で、54年ぶりの東京開催、さらに少年男子サッカー競技では東京都が頂点に立った。また今大会に出場した世代が、2020年にはU-23世代となり、五輪に出場することになる。何かと印象深い大会となったが、出場した選手たちがこの経験を次の舞台でどのように生かすか。7年間でどのような成長を見せるのか。これからも選手1人1人の成長を楽しみに見守っていきたい。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 児玉幸洋)
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