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[MOM2230]大阪府FW 藤尾翔太(C大阪U-18、1年)_ヒーローの座譲るも、貢献度大の献身と迫力ある動き

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大阪府FW藤尾翔太(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.2 国体少年男子2回戦 新潟県 0-1 大阪府 新居浜市営サッカー場2G]

 ヒーローにはなりそこねたが、存在感ある70分間だった。大阪府FW藤尾翔太(C大阪U-18、1年)は意識しているというFWズラタン・イブラヒモビッチのように、シュートを打つには難しいように映った体勢からでも強烈なシュートを打ち込んで相手ゴールを脅かすストライカーだ。

 シュートエリアが広く、ダイナミックな抜け出しからゴールへ迫る動きは脅威に。前半31分にはMF食野壮磨(G大阪ユース、1年)のスルーパスで抜け出して右足を振り抜く。GKにセーブされたシュートのこぼれ球をFW西村真祈(C大阪U-18、1年)が押し込んで決勝点となった。

 前線でボールを収め、抜け出しからのシュートで西村のゴールを“アシスト”もした藤尾だが、その攻撃面以上に守備面での貢献度が大きかった。「自チームでも守備の部分を継続しないといけない。それを出せたかなと思います」と藤尾。走る量については不満、普段ならばもっと走れると語っていたが、それでも切り替え速く、また鋭く相手との距離を詰め続けたことで新潟県のパスワークを思うようには発揮させなかった。

 元々、走ることは得意。それがC大阪U-18に進んで、より求められる中で大きな武器に変わった。その武器を発揮した藤尾について、梶田浩信監督(FC Unione柏原)も「見えない所で良くやってくれた」と感謝。得点こそ決められなかったものの、攻守においてインパクトを残すプレーだった。

 C大阪U-18でもチームメートのFW西村は負けたくないライバルでもある。チームが勝つために走って、ボールを収めてくれる西村の存在の大きさを口にする一方、「きょう僕決められなくてアイツ決めたじゃないですか。僕が決めていればもっと評価されたと思う」と悔しがる一面も。ライバル心を持ちつつ、チームのために自身も決め、パートナーに決めさせたいという思いは西村も同じ。守備面でも欠かせない2トップが準々決勝では2人でゴールを決めてまた白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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