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[国体少年男子]大会通して“MVP級”のプレー。MF山本理仁は「自分が世代を引っ張っていく」

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神奈川県MF山本理仁は決勝戦でも存在感あるプレー。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.5 国体少年男子決勝戦 広島県 0-1(延長)神奈川県 西条市ひうち陸上競技場]

 10月1日にトレーニングパートナーとして参加していたU-17日本代表のU-17W杯直前合宿を終え、その日の深夜に国体開催地の愛媛入り。神奈川県MF山本理仁(東京Vユース、1年)は翌2日の初戦から出場し続け、4連戦となった決勝でも足を攣らせた延長後半途中まで戦い抜いた。

 判断速くボールを動かし、決定機に繋がる縦パスも。さすがに決勝戦の後半以降は目に見えるような疲労感があり、相手の厳しいマークを浴びる中でミスも増えた。苦しい形での浮き球パスに頼ってしまっていた部分もある。

 それでも今大会、山本はMVP級のプレー。平塚次郎監督(湘南)が「自分の意志をしっかりと持っている」という説明するMFはそのテクニックと左足キックの精度、判断の速さ、視野の広さを発揮してボールを失わずに神奈川県の攻撃をコントロールし、チャンスメークも連発した。加えて、U-17代表合宿で学んだ球際の強度高い守備と読みの鋭さでインターセプトを連発。ボランチでコンビを組むMF柴田壮介(湘南ユース、1年)らの支えを受けながら、守備面でも各試合で違いを生み出していた。

 関東ブロック予選で神奈川県の主将を努めたFW斉藤光毅(横浜FCユース、1年)がU-17W杯日本代表メンバー入り。国体を欠場する斉藤からU-17日本代表の合宿で「優勝してこいと言われていたので、光毅の分も絶対に優勝したかった」という山本は、見事にその約束を果たして日本一を勝ち取った。

 U-17日本代表合宿を離れる際にU-17日本代表の森山佳郎監督たちから山本、FWブラウンノア賢信(横浜FMユース)、MF井上樹(甲府U-18)のトレーニングパートナー3人は「(U-16世代は)オマエらが引っ張っていくようにと言われていた」という。

 山本自身にもその決意がある。「もっと自覚を持って、自分が世代を引っ張っていくという気持ちでもっともっとレベルアップして18から立ち上がる代表をしっかりと引っ張っていきたい」と意気込んだ。U-17日本代表、U-20日本代表にも選ばれたFW久保建英(FC東京U-18、1年)らは同じ01年生まれ。今回の国体で山本は試合を決定づけるようなプレーをすることが少なかったことを反省していたが、より高いレベルで活躍するライバルたちに負けないつもりだ。逸材レフティーは今後も自覚を持って進化を果たし、01年生まれ世代を引っ張っていく。

(取材・文 吉田太郎)
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