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[MOM2624]千葉県FW田村蒼生(柏U-18、1年)_ 千葉の10番が京都圧倒

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後半23分、千葉県の10番FW田村蒼生が決めて2-0。((写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.30 国体少年男子1回戦 千葉県 2-0 京都府 テクノポート福井総合公園 芝生広場]

 特に前半終盤と後半は「圧倒的」なパフォーマンスだった。千葉県のFW田村蒼生(柏U-18、1年)がボールを持つと、京都府のDFは飛び込んだところをかわされ、2人で対応してもその間をスルスルとすり抜けられてシュート、ラストパスまで持ち込まれてしまっていた。

 その田村は、カウンターの起点となってスペースへ絶妙なパス。そして、個での突破からポスト直撃のシュートを放ち、縦への仕掛けでPKも獲得した。タイミング良く京都DF陣の懐へ抜け出す動きも見せていた田村は、後半23分に左サイドでの1対1でDFを攻略。さらにカバーしたDFをかわして右足シュートでゴールネットを揺らした。

「サイドで1人目抜いた瞬間に次の選手が来たのが見えたので、次外したらシュートか中(へのラストパス)かフリーな方へ行きたいと。1人目が上手く外せて2人目もダブルタッチが上手く決まったので、あとはゴールを決めるだけでした」

 身長163cmと小柄なFWは決してスピードがある訳でも、力強さがある訳でもない。それでも、普段から1対1では確実に相手をかわす自信があるのだという。カバーする選手の動きまで見て次のプレーを判断。この日は「相手が(自分を警戒して)出て来れないなというのがあった」と感じ、主導権を握っての仕掛けから決定機に絡み続けた。

 この日、U-16日本代表が来年のU-17ワールドカップの出場権を獲得したことによって、まだ代表歴のない注目FWが、世界で真剣勝負できるチャンスが広がった。今年のプレミアリーグでも1年生ながら11試合に出場するなど着実に経験値を高めている田村は「(アジア予選で)結果や誰が出て誰が決めたかは気になるんですけれども、少しでもこの大会で自分を出して代表入りできればいい」と意気込んでいる。

 現状にはまだまだ満足していない。柏U-18でも3年生が引っ張ってくれているチームに「乗っている方」だという。下級生からチームの中心になってチームを勝たせるプレーをしなければ、目標を達成することはできないと考えている。

 田村は目指す姿について、「アザールは自分で剥がせるし、味方も使える。ダビド・シルバも味方が一番やりやすいタイミングでパス出せたり、ゴールも獲れる。(加えて)自分はゴール前へどんどん顔出して起点となるプレーができれば良い」。個でも、連係でもゴールを奪い、アシスト、チャンスメークできる選手へ。今大会では、同年代のトップ選手相手にそれが確実にできることを証明して、ワールドカップメンバーに食い込む。

(取材・文 吉田太郎)
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