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[MOM2626]埼玉県MF柴山昌也(大宮ユース、1年)_相手を見て崩すテクニカルレフティー

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埼玉県の攻撃の中心として勝利に貢献したMF柴山昌也(左)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.1 国体少年男子2回戦 岐阜県 0-3 埼玉県 三国運動公園人工芝G]

 ボールを支配し、相手を見て、切り崩す埼玉県の中心選手だ。MF柴山昌也(大宮ユース、1年)は登録160cmの小柄なレフティー。正確なボールタッチとパスに加えて「自分、ドリブル得意なので、スペース空いている中だったら、何人いてもかわせるイメージがあった」という柴山はこの日、独特のリズムのドリブルで岐阜県DFを剥がし続けるなど一際目立つプレーをしていた。

 スペースを逃さずにスルーパスを狙い、ドリブルからミドルシュートも打ち込んだ。何より、そのボールテクニックで攻撃の中心に。埼玉県が狙い通りにボールを失わずに攻め続けることができたのは、彼の存在が大きかった。

 指揮を執る大野恭平監督(大宮南高)が「上手いと思います。特にオンの部分。相手を見てプレーできるし、相手の変化に対応できる」と特長について説明していたが、それは対戦した岐阜県の選手も驚異に感じていたようだ。試合後、岐阜県の選手たちが「7番」の異質のプレーについて驚きを交えて話す声が聞こえてきたほど、印象的だった2回戦。柴山自身も「きょうは、できました」と胸を張るプレーで8強入りに貢献した。

 8月にはJFA U-16トレセンキャンプメンバーに選出。富山国際ユースサッカー2018に出場した。U-16代表の近い位置にいる選手たちとの日々で感じたことは「まだ入っていくレベルに達していない」ということ。得意のドリブルが通用した一方、周囲のレベルが上がると囲まれてしまうシーンがあるなど、ポジショニングの部分などで課題が見つかった。その反省を活かしてこの国体に臨んでいる。

 国体は何より、チームのために。「自分がいいプレーしようとは思っていない。どんな状況でもチームのために戦えればいい」とフォア・ザ・チームの考えを口にする。同じ群馬県出身で大宮アカデミーから大宮トップチームに昇格して奮闘するルーキー・MF奥抜侃志を「追いつくんじゃなくて追い越せるようにしたい」と誓う柴山はまず、国体で埼玉県の優勝に貢献して目標に一歩近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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