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[MOM2983]岡山県GK寺島紳太朗(岡山学芸館高1年)_自信と決意持ってPK戦に臨み、2本ストップ!

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PK戦7人目、岡山県GK寺島紳太郎(岡山学芸館高)が右に跳んでシュートストップ。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.30 国体少年男子2回戦 神奈川県 1-1(PK4-5)岡山県 高松緑地多目的球技場(人工芝)]

「自分がここで止めへんかったら出させてもらった意味とか無い。ここでやり切るしかないと思って戦いました」。

 後半終了間際にGK西岡政智(岡山U-18)からバトンを受け取った岡山県の“PKストッパー”GK寺島紳太朗(岡山学芸館高)が、PK戦で2本をストップ。期待に応える活躍で神奈川県撃破の立て役者となった。

 1本目から思い切った跳躍を見せていた寺島。相手の3人目のシュートがポストを叩いて外れたものの、岡山県は2人が外して追い詰められていた。だが、決まれば敗退となる5人目だ。相手のシュートが左へ来ると読んだ寺島は身体を左へ傾ける。ボールは中央。読みとは外れたものの、「跳び切るんじゃなくて、真ん中も止められるように足を残しました」という足でシュートを止めてチームを救った。

 さらに7人目、今度は右へのシュートを読み切ってストップ。2本のシュートセーブでヒーローになった寺島は、「先発で出た西岡政智が同点で終えてくれたので、自分の力だけじゃないので、感謝しかない」とポジションを争うライバルでもある西岡に感謝していた。

 森川潤一監督(岡山U-18)は寺島のPK戦起用について、「2日前の練習で当たっていたのでGKコーチと相談して、最後は自分で決断しました」と説明する。その寺島は前日のPK戦練習で8人中3人を止めるなど、チームメートに半数しか決めさせず、自信を持ってこの試合を迎えていた。そして、強敵・神奈川県相手に再三決定機を作られながらも、守る西岡や仲間たちの奮闘する姿を見て「自分が止める」という強い気持ちでPK戦へ。敗戦直前まで追い込まれたが、執念のセーブで白星を引き寄せた。

 寺島は三重県のFC.Avenidasol U15出身。父・敏さんは同県の名門・四日市中央工高で選手権全国3位を経験したGKだった。父と同じポジションを選んだ寺島は学業や環境面を考えて岡山の岡山学芸館高へ進学。そして、ポテンシャルの高さを評価されるGKは、国体で一つ結果を残した。「コンディションを整えてPKになったらもちろん自分が止めて優勝したいですね」。国体での出場機会は限られたものになるかもしれないが、ベストの準備を続けて、ピッチに立った際には再びチームを救う。
 
(取材・文 吉田太郎)
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