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[MOM4014]福岡県FW前田一翔(福岡U-18、1年)_注目の万能型FW、逆転勝ちへ導く

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福岡県のFW前田一翔(福岡U-18、1年)は1得点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.2 国体少年男子1回戦 福岡県 2-1 愛媛県 下野市大松山運動公園 陸上競技場]

 試合前のウォーミングアップからよく声が出ていて、チームとしての勢いを感じたのが福岡県。主将のDF山本遥斗(九州国際大付高、2年)が「福岡魂を見せろ!と練習からやっている」と話すチームが狙うのは、MF福田湧矢(現ガンバ大阪)や、FW佐藤凌我(現東京ヴェルディ)らを擁し、初優勝を掴んだ2015年以来の頂点だ。

 勢いとは裏腹に愛媛県との初戦は立ち上がりから攻められる場面も多く、前半19分に相手セットプレーの隙を突かれ、DF早瀬侑希(愛媛U-18、1年)に先制点を奪われた。だが、追い掛ける展開となってから福岡が力を見せ始める。原動力となったのは、「ボールを収められるし、競り合いにも強い。足も速いし、点を獲る力もある。完璧な選手」と山本が絶賛するFW前田一翔(福岡U-18、1年)だ。

 最大の持ち味は50mを6秒ジャストで走る速さ。「怖がらないのが自分の武器だと思って、意識しています」と話す通り、接触を厭わず相手DFの背後にボールがでれば思い切りよく飛び出して行ける。この日の前半も自陣左からDF吉松優人(福岡U-18、1年)がゴール前に入れたボールに反応し、シュートまで持ち込んだが、ゴールには至らなかった。

 2度目の見せ場は前半終了間際の35+2分。左CKがファーに流れたところをMF松尾優輝(飯塚高、1年)が拾い、再び中へ。MF森部絢(福岡大若葉高、1年)が放ったシュートのこぼれ球を押し込んだ。「スカウティングでCKの二次攻撃に弱いと聞いていたので、そこを狙っていた。クロスが上がった時に7番の森部絢がシュートを打つ体勢だったので、こぼれ球を狙おうと意識していたら、たまたま自分の所に来た。押し込めたので良かったです」。

 2点目が生まれたのは試合終了間際の後半33分。右CKのクリアボールを拾った松尾が浮き球をゴール前に入れると、前田が上手くフリーとなり、右足一閃。このシュートは惜しくもクロスバーに阻まれたが、こぼれ球をFW倉田蓮(東海大福岡高、1年)が押し込み、2-1で福岡が勝利した。

 この日は裏への抜け出しが目立ったが、胸トラップや浮き球への対応も上手く、前線で起点となることもできる万能型。ルーヴェン福岡FCから福岡U-18に加入してからは、同じ万能型のストライカーであるFW北浜流星(3年)の動きを取り入れ、プレーに磨きがかかっている。また、これまではただガムシャラにゴールを目指していたが、守備の仕方や抜け出しの工夫を教わり、プレーの幅も広がっている。目標として挙げるのは、万能型の最高峰であるトッテナムのFWハリー・ケインだ。

 福岡U-18では既に定位置を掴み、プリンスリーグ九州で得点ランキング3位となる5得点をマーク。今大会を機にその名を全国に轟かせる可能性は十分にある。2回戦以降も注目ストライカーの活躍に期待だ。

(取材・文 森田将義)
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