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[国体少年男子]栃木県が地元で逞しく成長した姿を披露。高い能力発揮したCB清水陽は1-0勝利に大きく貢献

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栃木県CB清水陽(矢板中央高、1年)はカバーリング能力の高さや競り合いの強さを発揮。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.2 国体少年男子1回戦 岡山県 0-1 栃木県 真岡市総合運動公園運動広場(人工芝)]

「プレッシャーを掛けてボールを奪って、手数を掛けずにゴールに迫るというスタイル。それしかない、と思ってやってきていたので、(今日は)強い強度、スピードも求められたと思いますけれども、みんな逞しくなってきたかなと」

 開催県の栃木県は1,200人の観衆の前で初戦突破。只木章広監督(栃木SC U-18)は、戦い抜いた選手たちの頑張りを讃えていた。毎週水曜日に活動、準備をしてきた真岡市総合運動公園運動広場での価値ある1勝。栃木県にとって13年ぶりの初戦突破だった。

 この日は、エースFW揚石琉生(栃木SC U-18、2年)が前線で躍動して決勝点。また、只木監督が「本当に回収してもらうのを一番の仕事にしているので。身体も大きくないですけれども、本当にそういうところでメンタルも強い」と評したMF鶴田大和(栃木SC U-18、1年)とMF直井芳樹(栃木SC U-18、1年)のダブルボランチの回収力や、GK熊谷匡祐(栃木SC U-18、1年)の好セーブなど各選手の奮闘が光ったが、守備面ではCB清水陽(矢板中央高、1年=大宮西カリオカFC出身)の動きが際立った。

 181cmの長身と50m走6秒台前半の身体能力を併せ持つ清水は、前への強さと空中戦の強さ、カバーリング能力の高さを幾度も発揮。関東Rookie Leagueで活躍して矢板中央のトップチームへ昇格し、プリンスリーグ関東2部出場も果たした。台頭中のCBについては、只木監督も「あの子は本当カバーもできるし、前にも強いし、1対1もできる。身体だけじゃなくて安心して見ていられる。能力高いと思います」と期待感を口にする。

 本人はこの日のプレーについて、「自己評価としてはまだまだです。もっとクリアボールとかも繋げるので、もっとこだわっていかないといけないと思いますし、判断ミスとかも多かったので、もっとなくして良くしていければと思います」と首を振る。だが、堅守・矢板中央のトップチームでプレースピードや技術力を学ぶ1年生は、正確な縦パスを含めて今後の飛躍を期待させるプレーだった。

 矢板中央の1年生は9月に開催された全国級のU-16大会、「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」で優勝。すでにトップチームへ昇格していた清水は、刺激を受けている。栃木県選抜としてはこれまでなかなか結果が出ていなかったが、この日の1-0勝利は自信に。清水は開催県の代表として臨んでいる今大会で優勝すること、また年代別日本代表入りを目標に掲げた。

「開催県なので優勝を目指して。(代表に入るためには)きょうのプレーじゃダメだと思うけれど、もっとできると思いますし、コンディションの部分も上げていける。今日のプレーは70パーセントくらい。もっと上げていきたい。キック力とコントロール、あとスピードと予測能力を活かしたインターセプトとかカバーリング能力は自信があります」

 今大会、そして矢板中央でアピールを続けてチャンスを掴むか。将来、矢板中央の堅守を支えるであろう清水が、チームを勝たせてその名を広める。
 
(取材・文 吉田太郎)
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