[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.2 国体少年男子1回戦 岡山県 0-1 栃木県 真岡市総合運動公園運動広場(人工芝)]

　今年の夏休みは栃木SCのトップチームに1か月間帯同。2種登録され、現在も時折トップチームの練習の練習に参加しているというレフティーが、違いを示した。

　MF揚石琉生(栃木SC U-18、2年=栃木SC U-15出身)はボールを受けると、圧倒的なプレー。確実にボールを収め、前を向いて前進し、チーム全体を引き上げた。前半10分には絶妙なファーストタッチでDFを外し、カットインからの左足シュートで鮮やかな先制点。「試合始まる前から常にゴールを狙って行く気持ちはありました。良いファーストタッチができたんで、良いシュートが打てたと思います」と微笑んだ。

　前半28分には縦パスを受けると、ドリブルで左サイドへ流れ、そこから一気にスピードアップ。DF2人を置き去りにしてラストパスへ持ち込んだ。オン・ザ・ボールでは思うがままのプレー。「(栃木の)トップチームは本当にプレッシャーが速いので、(トレーニングで)それに慣れたなって。それでここでもやれる」という力で会場に集まった1,200人の観衆を誰よりも沸かせていた。

　本人も「ボール持って、運んで、結構チャンスとか作れたと思います」と納得の表情。また、CKのサインプレーから左足シュートを放ち、ワンツーからPAへ切れ込もうとするシーンもあった。

　最終ラインの要であるCB清水陽(矢板中央高、1年)が「揚石くんは、全部トップです」と言い切り、只木章広監督(栃木SC U-18)も「逞しい選手なので期待はしていた」と語るように、チームからの信頼感も抜群だ。だが、運動量が落ちた後半はロストしてピンチを招くシーンも。昨年、U-15日本代表候補に選出されている揚石は、体力面の課題やボールを取り切る力を磨いて代表定着を果たす考えだ。

　今回の国体はアピールのチャンス。「一回代表に呼ばれて、それから呼ばれていないので。ここチャンスだと思うので、自分のプレーを見せていければと思います。明日も試合があるので、どんどんチャレンジしてゴール狙っていければと思います」。2回戦の対戦相手は強豪・千葉県。トップチームで磨いた力を再び発揮し、また地元観衆を沸かせて、勝つ。

(取材・文　吉田太郎)

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