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[国体少年男子]187cmCB山本遥斗が指摘した「ちょっとの差」。好チーム・福岡県は青森県に対抗もPK戦で惜敗

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福岡県の最終ラインを支えたCB山本遥斗(九州国際大付高、2年)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.3 国体少年男子2回戦 福岡県 1-1(PK1-4)青森県 真岡市総合運動公園運動広場(人工芝)]

 PK戦の末に2回戦敗退となったが、福岡県は時間が過ぎると再び本来の明るい雰囲気。スタッフの掛け声とともにウォーターシャワーを浴びせ合って、笑顔で会場を後にした。

 唯一の早生まれ2年生で、主将のCB山本遥斗(九州国際大付高=川崎FC出身)は、「本当に宿舎とか帰ってもみんな仲が良いし、自分も結構イジってくるし、雰囲気良く練習でもやっていました」。解散、それぞれの所属チームに戻ることを名残惜しそうにしていた。

 福岡はピッチ上でも印象的な戦いを見せた。この日は青森山田高の16人で構成された青森県と対戦。「最初、ビデオとか見て力強かったんですけれども、やってみてそこまででもないので、『やれるぞ』と言って、言ってみればやれたので。みんなでも『行こう』『突っ込んだら全然取れるし』みたいになっていた」(山本)。

 相手のサイド攻撃、セットプレーに押し込まれる時間帯が続いたことは確か。それでも、187cmCB山本やCB森部絢(福岡大若葉高、1年)らが根気強く相手の攻撃を弾き返し、MF大谷圭史(東福岡高、1年)が広い視野と技術力の高さでボールを落ち着かせて攻め返す。

 0-1の後半15分にはMF楢崎佑馬(アビスパ福岡U-18、1年)のスルーパスから注目エースFW前田一翔(アビスパ福岡U-18、1年)が能力の高さを見せつけるゴールを決め、同点に追いついた。

 その後も、テクニカルなMF松尾優輝(飯塚高、1年)や山本らがチームを奮い立たせながら青森のスピード、パワーに対抗。1-1で70分間を終えた。だが、PK戦で2人が外し、1-4で敗戦。負傷欠場していた190cmの“切り札”DF浦津太樹(福岡大若葉高、1年)が健在ならば、戦い方にまた幅ができていたかもしれない。

 それでも、山本は「相手は全国経験者で、こっちは経験していない選手が多い。そこのちょっとの差、気持ちの差で負けたと思います」と分析。インターハイに出場した九国大付で先発の座を狙う大器は「また、この全国という舞台に戻ってきて、もっともっと上に行けるように頑張っていきたい。今日失点したんですけれども、失点しないとか、最後の部分で身体張るとか、自分が得点を獲るとか、そういうところにこだわっていきたい。自分は(先輩の)米山凛くんや井上陽斗くんよりも足下があるので、アシストできるCB、点を獲れるCBになっていきたいです」。経験を重ねて「ちょっとの差」を埋め、全国舞台でより上に勝ち上がることを誓っていた。

(取材・文 吉田太郎)
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