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[国体少年男子]青森が宮城との東北対決制し“三度目”の準決勝へ! 26年地元開催を前に初優勝目指す

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青森県が準決勝へ

[10.4 国体少年男子準々決勝 青森県 3-0 宮城県 真岡市総合運動公園陸上競技場]

 U-16世代の日本一を争う第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」サッカー競技少年男子の部は4日、準々決勝を実施。青森県と宮城県による東北対決は、前半35分に奪ったDF伊藤柊(1年、青森山田高)の先制点を皮切りに3点を奪った青森が勝利した。5日の準決勝では北海道と対戦する。

 2回戦からの登場となった宮城に対し、青森は1回戦からでこの日が3試合目。前日の2回戦はPK戦までもつれていた。そうした疲労もあり、「前半は勢いがなかった。疲労ももちろんあったけど、構えてしまったというか、うちらの良さである相手に向かっていく姿勢ではなく、受けて立った所があった」(上田大貴監督)。立ち上がりから、チームとして狙う前からの守備が機能しなかった。MF齋藤俊輔(1年、仙台ユース)ら2列目の技巧派を中心とした仕掛けから、FW萩原空真(1年、聖和学園高)がDFの背後を狙った宮城の攻撃に手を焼いた。

 前半3分には宮城のチャンス。テンポの速いパス回しで中央を崩し、齋藤が左足でゴールを狙ったが、シュートは惜しくもクロスバー。こぼれ球を狙った萩腹のシュートも枠の上に逸れた。23分にはクリアボールが右前方のスペースに落ち、走り込んだ萩原がシュートを狙った。

 苦しい展開が続いた青森は、「失点して追う展開になると、取り返しがつかなくなる。早い段階で交替選手を入れて、攻撃を活性化しようと思った」(上田監督)とジョーカー役として置いておいたFW大沢悠真(1年、青森山田高)を投入し、試合の流れを変えに出た。

 すると、前半終了間際の35分に、この試合初めての決定機が生まれる。右サイドの高い位置でスローインを獲得すると、スロワーに名乗りを挙げたのはDF小沼蒼珠(1年、青森山田高)。「中2ぐらいから青森山田に行きたいと思った時に、やっぱり1つぐらい武器がないと生き残れないと考えた。そこから練習終わりに30分ぐらい投げ込んだら、飛ぶようになった」というスローインがゴールに向かうと、ニアで伊藤が頭で合わせた。そのままゴールに向かったボールは中で競り合った味方と相手GKに触れることなく、吸い込まれ、青森が先制に成功した。

 後半に入ってからの青森は選手同士の距離感を修正。DFラインが勇気を持ってコンパクトに保つことで、ボランチよりも前の選手を高い位置へと押し上げ、相手ボールに対してプレスに行けるようになった。先制したことで心の余裕も生まれ、攻撃の勢いも生まれた。

 後半14分には自陣から繰り出した山本のロングフィードで、DF西尾柊汰(1年、青森山田高)が左サイドの高い位置をとると、素早くゴール前にパス。走り込んだ大沢がダイレクトで合わせて、リードを2点差とした。21分には味方が競り合ったこぼれ球を大沢が拾って素早く右に展開。フリーで受けたFW三浦陽(1年、青森山田高)がゴールの隅にシュートを突き刺し、3-0で試合を終えた。

 青森は過去に2度準決勝まで進んでいるが、いずれも敗れている。敗退後の3位決定戦でも敗れているため、最高成績は4位。「2026年に控えている青森国体で日本一とは言うものの、僕らは今年日本一を獲って、青森国体を迎えたいと思っている」と話す上田監督はこう続ける。「なんとか明日の準決勝で勝って、まずファイナルに進出して、青森県の歴史の中で彼らの年代を刻みたい」。

 選手の想いも同じ。「歴代の最高記録ベスト4で、その記録を塗り替えるためにやってきた。史上初のファイナルに残って、日本一獲りたい」と意気込むのは小沼だ。まずは鬼門となっている準決勝で3度目の正直を果たすため、万全の準備を進めていく。

(取材・文 森田将義)
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