beacon

[国体少年男子]新潟県はPK戦で惜敗。昨年の中止経験した早生まれ2年生は「懸ける思い」を表現するも……

このエントリーをはてなブックマークに追加

中止となった昨年の思いも込めて戦った新潟県MF平澤諒珂(帝京長岡高、2年)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.4 国体少年男子準々決勝 新潟県 2-2(PK5-6)北海道 下野市大松山運動公園 陸上競技場]

 立ち上がりに失点した新潟県だが、前半のうちにMF山村朔冬(帝京長岡高、2年)とFW新納大吾(帝京長岡高、1年)のゴールによって逆転。その後は左利きの CB渡辺陽翔(帝京長岡高、2年)らが、正確かつテンポ良くボールを繋ぐ新潟県らしいサッカーを表現していた。

 だが、主導権を維持することを目指した後半立ち上がりの5分間で相手ペースに。「後半は少し内気味に入って数的優位をつくるような動きを意識していました」というMF平澤諒珂(帝京長岡高、2年)が推進力のあるドリブルで前進するなどシュートシーンを演出していた。だが、相手のミスから迎えたチャンスを逸するなど新潟県は追加点を奪うことができない。

 そして、後半22分に失点。27分には右クロスから山村が決定的な左足ボレーを放つ。だが、一瞬中央への折り返しと迷ったという10番のシュートはGKに阻まれてしまう。「振り抜いたら良かったです」と山村。突き放せなかった新潟はPK戦でGK小林脩晃(帝京長岡高、1年)が1本止めたものの、5-6で敗れた。

 新潟の平澤は昨年の北信越ブロック予選に出場。チームは1位となり、国体出場権を獲得した。だが、目標としていた大会は中止に。「中止で本当に悔しい思いをして、去年のリベンジというか『懸ける思い』はだいぶ他とは違っていて……。正直、このメンバーだったら優勝まで行けると思っていました。負けには変わらないので正直悔しさというか情けない気持ちです」と唇を噛む。

 同じ2年生の山村は1年間掛けて成長し、インターハイ、国体メンバーに食い込んできた選手だ。巧みにボールを引き出し、攻撃の中心となったMFは、「最高に良い舞台を味わえたし、これからもっと味わえるように。相手にとって怖くなるプレーヤーが目標なので、それへ向けてもっと練習していきたいです。まずは(選手権の)県予選で活躍してスタメンで出れるように。守備のところも頑張りたいけれど、ミス少なくゴールを奪える選手になりたい」と誓った。

 また平澤は、前日の静岡県戦で2アシスト。中止になった昨年の思いも込めて戦い、この日も馬力のある動きでチームを引っ張った。「(早生まれの2年生で)一個上の年ということもありましたけれども、良い経験になりましたし、この経験を活かすのは絶対なんですけれども、これをチームに持ち帰った時にどう活かすか、どう飛躍するかは考えていきたい」。新潟の登録16人は全て帝京長岡高の選手たち。この経験をチームに持ち帰り、個人、チームの成長に繋げる。

前半12分、新潟県MF山村朔冬(帝京長岡高、2年)が同点ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

(取材・文 吉田太郎)
●第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」特集

TOP