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[MOM4027]神奈川県MF德田佑真(横浜FMユース、1年)_内容、結果左右したボランチの出来。「見事に改善」して決勝へ導く

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MF德田佑真(横浜F・マリノスユース、1年)は後半、積極的にボールを受けて神奈川県のサッカーを改善した。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.5 国体少年男子準決勝 大阪府 1-4 神奈川県 下野市大松山運動公園 陸上競技場]

 神奈川県の生命線であるボランチが流れを変え、快勝へ導いた。雨中の準決勝、神奈川県は序盤、守備に重きを置き、前線のスピード、強さを活かした戦い方を選択。だが、大阪府の上手さと鋭い守備に苦戦し、その後も神奈川らしいドリブル、ショートパスで運ぶ、崩すサッカーをなかなか展開することができなかった。

 その中で、MF高橋友矢(横浜FCユース、1年)とともにダブルボランチを担うMF德田佑真(横浜F・マリノスユース、1年)は、「自分的にはきょう天然芝が濡れていたのはあったんですけれども、プレッシャーが強いのは全然大丈夫で、そこは相手見えていたのでフリックとかフリックと思わせてターンしたりとか、色々アイディアは頭の中であった」。徳田はビルドアップ、崩しに係わり、得意の左足でシュートも放った。

 ただし、チーム全体でミスも増加。前半は1-0で終えたものの、攻撃を魅力とするチームにとって納得の内容ではなかった。ハーフタイムには金子勇樹コーチから「ボランチが受けないで、どうやってチームを勝たせられるんだ」「ミスしても勇気を持ってどんどんいかないとサッカーじゃないぞ」と厳しい指摘。迎えた後半、金子は高橋とともにチームを立て直して見せる。

「後半、どんどん(ボールを)呼ぶようにして、自分がミスっても次奪われた後とか、そういうことを考えるようにしていたので、後半は結構ボールが入ってくるようになってゲームが作れたと思います」と金子。関泰宜監督も「(德田は)あれだけつけて、出て行ってを繰り返して。今日は本当にあの(ボランチ)2人がどれだけ受けられるかというところで見事に改善しましたね」と称賛した。

 横浜F・マリノスユースでは下がり目のボランチやCB。実際、「攻撃よりも守備の方が、自信があります」という德田だが、神奈川では高橋のサポートを受けながら積極的に前へ出て崩しに参加し、得点を狙っている姿が印象的だ。決勝でも守備はもちろん、攻撃の組み立て、崩し、そしてゴールでも輝くつもりでいる。

「(神奈川県のスタイルである)“ちこちこ”は、ボランチいないと始まらないし、どんどん受けていかないと始まらない。その中でも結果を出していきたい。自分、左足は自信を持っているので、キックのところだったり、あと展開、もらった時のワンタッチとか、フリックとか、ミドルシュートとかも自信がある。決勝はロングシュート決めて勝たせたい。少し緊張する部分はあるんですけれども、自信を持って、今日できなかったことや反省点とか、今まで戦ってきたチームの分まで戦って、神奈川の来れなかった選手の分まで優勝したいので、絶対に優勝して帰りたい」

 日常のトレーニングから常に周囲の言葉に耳を傾け、映像を見返して何が足りないのか、周囲から何を求められているのかを考えている。「細かいところを意識しないとこの先どんどん上に上がっていくにつれて、レベルも上がっていくし、学年も関係なくなっていくので、そういうところを意識しないと代表とか程遠いので意識してやりたい」。成長への意欲が高く、また「どんなボランチにも負けないという自信を持ってやっている」と口にする徳田が、国体制覇をさらなる成長、また飛躍のきっかけにする。

(取材・文 吉田太郎)
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